ここ数年、工学部の中にある建築学科を「建築学部」として独立させる大学が増えています。愛知県名古屋市にキャンパスを構える大同大学もその一つで、2024年4月に建築学部を開設します。
専攻は「建築専攻」「インテリアデザイン専攻」「かおりデザイン専攻」「都市空間インフラ専攻」の4つ。中でも特徴的なのは、「かおり」を専門に学ぶかおりデザイン専攻です。新車のにおい、乾燥機のにおい、工場から発生する悪臭など、生活に直結するあらゆるにおい・かおりが研究対象で、他の3専攻の「建築」「インテリアデザイン」「都市空間インフラ」にまたがる分野となっています。
今回の学部化の背景について、同大学の建築学科で教授を務める武藤隆先生にお話をうかがいました。
「建築学には本来、理系・工学系の要素のほかに歴史やデザイン、色や形を扱う文系・芸術系の要素も含まれます。しかし、工学部=理系のイメージが強く、従来の学部編成では学びの内容と入学してくる学生の意識との間にギャップが生じていました。
そこで、2021年に建築学科の校舎が「X(クロス)棟」として生まれ変わったのを機に、より文系の学生に開かれた建築学部を開設することになりました。
建築学=建物を建てる学問と思われがちですが、実際はものを評価・観察する研究もあります。近年は女子学生が増えたのと同時に、インテリアにおける『かわいい』とは何かを分析したり、結婚式場をリノベーションする提案を行ったり、文系寄りの研究に関心を持つ学生も増えてきました。もちろん、建設や施工といったがっつり理系の内容を学ぶこともできます。学生には、専攻を超えて広く学びながら本当に学びたいことを見つけてもらえたらと思っています」
幅広い領域の学びをカバーする大同大学の建築学部。どのような学生が入学に向いているのでしょうか。武藤先生はこう話します。
「建築の分野は100%実学であり、あらゆる『人・暮らし』に関わっています。ですから、進学のきっかけは雑貨屋やカフェを巡るのが好きとか、家具や照明器具に興味があるといったことでも構いません。自分がカフェや家具を設計するならどんなものをつくる?など、関心ごとを建築学部の学びと結び付けられれば、きっと楽しく学べるはずです。建築の分野では、必ず自分に合った学びの場所が見つけられると思いますよ」
その他、詳しい学部情報は下記特設サイトを参照。