読みもの

コンテスト型新企画「KNOCK」スタート!企業が高校生の作品を募集

高校生向けコンテスト型の新企画「KNOCK」とは?「絵を描くことが好き」「アイデアを考えることが好き」「ものづくりが好き」というデザイナー・クリエイターの卵のみなさん!クリエイティブを学び、将来を考える人のための情報サイト「デザインノトビラ」は、そんなみなさんから作品・アイデアを大募集する新企画、「KNOCK」をスタートします。「KNOCK」では今後さまざま企業が不定期にテーマを出題。高校生のみなさんだからこそ生み出せる、フレッシュで自由なアイデアや作品を募ります! 将来を考えるきっかけとして、作品発表の場として、まずは「KNOCK」でデザインのトビラを叩いてみませんか?高校生が「KNOCK」に応募すると、いいことが!あなたの作品が社会に出るチャンス!企業・クリエイターに作品を審査してもらえる!素敵な賞金や賞品がもらえる!応募のしかた募集中のテーマ一覧から挑戦したいテーマを選ぼう!締切までに作品をつくろう!作品応募フォームへの投稿で、応募完了!決まった期日まで、ドキドキしながら結果を待とう……!募集中のテーマ一覧(新着順)デザインノトビラ(株式会社 JDN)「KNOCK」のメイングラフィック募集(8月30日15:00締切)始まったばかりの新企画「KNOCK」のメイングラフィックを大募集!サイト内で注目を集める、すてきなグラフィック作品を募集します最優秀賞(1点) Amazonギフトカード3万円分、作品を企画のメインページグラフィックに採用このテーマの募集要項を見る今後も続々と、このページでテーマを出題していきます!
2024年7月16日(火)
ニュース

⼥⼦⾼校⽣が対象!「⼤学で学ぶIT&デザインプログラムIFUTO」が参加者を募集

認定NPO法人キッズドアが、「⼥⼦⾼校⽣対象!⼤学で学ぶIT&デザインプログラムIFUTO」の参加者を6月23日(日)23:00まで募集しています。6月14日にはオンライン説明会も開催。本プログラムは女子高校生を対象に、オリジナルのTシャツをデザイン・作成したり、IT技術を体験したりするもの。今年は東京と仙台の2会場でそれぞれ3コースが開講し、いずれも参加費やランチ時に配られるお弁当代、wifi・PC貸与代金などは無料で、交通費補助もあります。2会場ともに、千葉大学のデザイン研究に特化したセンター「デザイン・リサーチ・インスティテュート」の先生から指導を受けることができ、総合型選抜や推薦入試のエピソードにも活用できます。主催のキッズドアは開催にあたって「もしITやデザイン、マーケティングの力があれば、あなたの可能性はさらに広がる。(中略)将来、これらに関係する職業に就かなくてもいい。IFUTOを通して、あなたに見えてなかった可能性や世の中の仕組みを知り、新しい物事に挑戦することの楽しさを感じてください」と参加を呼びかけています。募集概要対象学生女子高校生※なんらかの理由で高校に通っていない方もご参加OK※会場まで自力で来られる方募集人数デザインコース 東京・東北で各30名プロダクトコース 東京・東北で各20名メタバースコース 東京・東北で各20名※応募者多数の場合は選考により決定実施期間デザインコース2024年7月27日~28日・8月3日~4日(全4日)プロダクトコース東京:2024年7月27日~28日・8月3日~4日・10日~11日(全6日)仙台:2024年7月27日~28日・8月3日~4日・24日~25日(全6日)メタバースコース2024年7月27日~28日・8月3日~4日・10日~11日・24日~25日(全8日)※上記日程以外のイベントも予定実施会場東京会場 千葉大学墨田サテライトキャンパス(東京都墨田区)仙台会場 仙台国際センター/フォレスト仙台/PARM-CITY131(宮城県仙台市)※仙台会場は日程により変動特典期間中パソコンの貸し出しご家庭にインターネット環境が無い方はモバイルwifiを貸し出しプログラムに通う交通費を補助※交通費については東京会場:3,000円まで、仙台会場:宮城県内の方は3,000円まで/宮城県外の方は15,000円まで※プロダクトコース・メタバースコースで出席状況が良く、経済的な理由でご自身のパソコンをお持ちでない方は、プログラム終了後中古PCを進呈応募はIFUTO特設サイトより受付中。
2024年6月12日(水)
コラム

【第二弾】「注目のデザイナー」を多く輩出する学校って? 出身校ランキングを発表!

「JDN」連動企画! コラム「注目のデザイナー」たちの出身校をランキングで紹介デザインに関わる情報を広く発信するサイト「JDN」で、20年以上続くコラム「注目のデザイナー」。デザインディレクターとして活躍する桐山登士樹さんが、毎月、旬のデザイナーをセレクトし、その代表作や直近の作品を紹介しています。これまでに登場したデザイナーは総勢300人(2024年5月時点)。デザイン業界の“いま”を知ることができ、現役のデザイナーたちもチェックしている人気コラムです。今回、デザインノトビラではJDN編集部と協力し、同コラムに登場したデザイナーの方々のうち、2012年以降の皆さん(174人)の出身校をリストアップ。桐山さんが選ぶ「注目のデザイナー」を数多く輩出する学校とは、いったいどこなのでしょうか?第二弾では、「短大・専門学校・その他教育機関」のランキングをご紹介します!短大・専門学校・その他教育機関ランキング、1位は桑沢デザイン研究所順位学校名掲載人数1位桑沢デザイン研究所5人2位女子美術大学短期大学部2人3位大阪デザイナー専門学校(現:大阪デザイナー・アカデミー)文化服装学院上松技術専門校ICSカレッジオブアーツ富山商船高等専門学校(現:富山高等専門学校)※福島県立会津短期大学(現:会津大学短期大学部)※長岡短期大学(現:富山大学)※    富山ガラス造形研究所※1人※富山商船高等専門学校と福島県立会津短期大学、長岡短期大学と富山ガラス造形研究所の出身デザイナーは同一人物短大・専門学校・その他教育機関のうち最も多く注目のデザイナーを輩出したのは、桑沢デザイン研究所でした。同校は大学を含む総合ランキングでも5位にランクインし、前回記事でもご紹介しています。プロダクトデザインの分野でミニマルな造形を追求し続けるインダストリアルデザイナー・渡辺弘明さん(リビングデザイン研究科卒)、そして当時キヤノン株式会社で多くのプロダクトデザインを手がけながら「SABO STUDIO」として独自のデザイン活動を行っていた清水久和さん(インダストリアルデザイン科卒)が登場しました。続く2位は女子美術大学短期大学部。同校からは、現代美術家コラボレーターとして作品制作やマネージメントに携わり、現在は株式会社箔一ブランドディレクター、shokolatt brandingのCEOなどを務める鶴本晶子さん。さらに、デザイン事業をはじめ製品の企画やプロデュースなどをおこなう株式会社SyuRo代表でデザイナー/クリエイティブディレクターの宇南山加子さん(生活デザイン科卒)が登場しています。3位には8校が並びました。まず、長岡短期大学(現:富山大学、金属工芸科)と富山ガラス造形研究所(研究科)からは、国内外で活躍するガラス作家の塚田美登里さん。大阪デザイナー専門学校(現:大阪デザイナー・アカデミー)からは、プロダクトデザインを軸に、幅広くデザインに携わるクリエイティブスタジオ・AZUCHIの橋本崇秀さん(プロダクトデザイン科卒)。橋本さんは同校を卒業後、神戸芸術工科大学のプロダクトデザイン学科も卒業されています。また、富山商船高等専門学校(現:富山高等専門学校、航海科)と福島県立会津短期大学(現:会津大学短期大学部、デザイン科)を卒業された、プロダクトデザイナーの萩野光宣さん。荻野さんは新潟・燕三条の地場産業にて多くのデザイン開発を手がけています。 そして、文化服装学院からは、在学中にクリエイティブスタジオ・EDING:POSTを設立されたデザイナーの加藤智啓さん(アパレルデザイン科卒)、上松技術専門校からは、東京藝術大学を卒業後に同校で木工を学んだ家具デザイナーの横田哲郎さん(木工科卒)。ICSカレッジオブアーツからは、国内外の空間デザインを手がけるインテリアデザインオフィスI IN設立メンバーのひとり、湯山皓さんが登場しました。なお湯山さんは東京学芸大学の教育学部も卒業されています。気になる注目のデザイナーや学校を調べてみよう!今回は、「短大・専門学校・その他教育機関」のランキング1~3位までと、登場した「注目のデザイナー」のみなさんをご紹介しました。出身校については、デザインノトビラの「学校をさがす」ページからも調べることができます。また、ここで紹介しきれなかったデザイナーは他にもたくさんいます。これまでどんなデザイナーが活躍し、学生時代にどんな環境で学んできたのかを知ることは、学校選びのヒントになるはず。ぜひJDNの「注目のデザイナー」もチェックしてみてくださいね!
2024年5月22日(水)
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インタビュー
武蔵野美術大学

代替を超えたバイオ素材の可能性を探る─グッドデザイン・ニューホープ賞最優秀賞(2)

モノづくりのプロセスが伝わるようなプレゼンを工夫――卒業制作での発表時から、具体的にどのような点をブラッシュアップしたのでしょうか。今回の作品ではキノコの菌糸体という「素材の魅力」と、「モノづくりの楽しさ」の2つを伝えたいと思っていました。ただ、後者については卒業制作展で教授から「モノづくりのプロセスがもう少し見えるといい」と指摘をもらっていたのが引っかかっていたんです。そこで、遊びながらバイオ素材の魅力に気づいてもらうといったコンセプトを理解してもらうために、応募に向けたプレゼン資料を工夫したり、制作過程を動画にしたりしました。動画にはある親子に出演していただき、キットが届いてから、菌糸ブロックを砕き、型に入れて栽培、4〜5日後に収穫して最終的に遊ぶところまでの一連の流れを撮影しました。――動画では楽しそうに菌糸ブロックを混ぜたり、匂いを嗅いだりしている子どもの姿が印象的ですね。菌は汚いだろうと思うのも大人の先入観が大きくて、子どもは砂場で遊んでいるような感覚で純粋に菌糸ブロックに触れてくれるのだと知ることができましたね。キットに入っている菌糸ブロックの袋を開けると森の香りがしたり、日々育っていく菌糸体を観察したりする楽しさもあって、そうした一連のプロセスが伝わる動画になったと思います。――最優秀賞を受賞して、審査委員やオーディエンスから反響はありましたか?「商品化してほしい」とか「遊んでみたい!」といった声が一番大きくて、とてもうれしかったです。卒業制作展でも同様の声をいただいていたんですけど、商品化に踏み出す勇気はありませんでした。ただ今回は、審査委員の方々にアドバイスをいただいたり、賞をきっかけに出会ったほかの参加者がサポートしてくれたりして、商品化に向けてプロジェクトを進めることができています。賞を受賞したという実績があると、生産や流通において話を進めやすいなとも感じています。 ――受賞した際の率直な感想も教えてください。事前にほかの参加者の方々の素晴らしい作品を見ていたので、私はまさか最優秀賞には選ばれないだろうと思っていたんです。だからすごく驚きましたね。受賞後には、改めて応募した作品について参加者が簡潔にプレゼンをして、審査委員やほかの参加者からアドバイスをいただく「フォローアップ・ゼミ」にも参加しました。ゼミでは、みなさんからの客観的なコメントによって、自分では見えていなかった価値に気づかされた場面も多くありました。特に、コンセプトや制作背景を褒めていただいたのがうれしかったですね。自分の作品に対しての自信や愛着がより一層強くなりました。フォローアップ・ゼミの様子 自分が信じるデザインを追い求めながら、社会に貢献したい――デザイナーとしての今後の展望をお聞かせください。今回受賞させていただいたことによって、自分が信じているデザインは意外と世の中に認められるのかもしれないと希望を見出すことができました。今後は、デザイナーとしての責任をちゃんと持って、より社会に役立つものをつくっていきたいなと思っています。まずは、「MYMORI」を商品化することが直近の目標。それぞれのターゲットがより楽しく体験できるようなかたちを検討しています。その先に、遊びだけでなく、菌糸素材のものづくりを介した教育や地域活性化など、より深い価値につながることを目指したいです。まだはっきりとは決めていないのですが、会社の仕事と両立しながら、社会に貢献するクリエイティブを追い求めたいなと思っています。――最後に、現在応募を考えている方に向けてメッセージをお願いします。ニューホープ賞は、自分の作品をブラッシュアップしたり、客観視したりできるチャンスだと思います。この賞の応募を考えている人の中には、いままでにない斬新なデザインを提案したいと思っている人が多い気がしていて。そうしたデザインには、ひとつの視点からだと見えないこともあると思います。ニューホープ賞は多様な視点から作品を見てもらえる絶好の機会なので、あまり結果を気にすることなくぜひ参加してみてほしいです。■グッドデザイン・ニューホープ賞https://newhope.g-mark.org/■2024年度グッドデザイン・ニューホープ賞セミナー 「審査委員が注目する次世代デザインの条件」開催情報日時:2024年5月21日(火)18:00~19:30場所:京都市立芸術大学 C棟1階 講義室1(C-101)登壇者:井上裕太氏(2023年度ニューホープ賞審査委員|プロジェクトマネージャー・KESIKI INC.パートナー/Whatever ディレクター)、原田祐馬氏(2023年度ニューホープ賞ワークショップ講師|デザイナー | UMA /design farm 代表)概要:2023年度ニューホープ賞審査委員の井上裕太氏と原田祐馬氏が、審査委員の視点から、次世代のデザインに求められる条件や、ニューホープ賞での審査の視点や基準などを語ります。参加申し込み:https://nha2024seminar-kyoto.peatix.com/
2024年5月15日(水)
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インタビュー
武蔵野美術大学

代替を超えたバイオ素材の可能性を探る─グッドデザイン・ニューホープ賞最優秀賞(1)

将来のデザイン分野の発展を担う、新しい世代の活動支援を目的とするグッドデザイン・ニューホープ賞。グッドデザイン賞がプロ・企業の商品やサービスを対象にしているのに対し、大学や専門学校などに在学中の学⽣や卒業・修了直後の新卒社会人によるデザインを対象に実施される。応募カテゴリーは「物のデザイン」「場のデザイン」「情報のデザイン」「仕組みのデザイン」の4つで、テーマは自由。応募者が在学期間中に独自に制作したものであれば、大学や専門学校などのゼミの課題制作や卒業制作、自主研究などの作品を応募することも可能だ。また、受賞後にはデザイナーや建築家によるワークショップへの参加など、独自のプログラムが用意されている。2023年度グッドデザイン・ニューホープ賞の審査委員長はクリエイティブディレクターの齋藤精一さん、副委員長を建築家の永山祐子さんが務めた。応募総数415点の中から78点が受賞、そのうち各カテゴリーの上位2点、合計8点が最終審査に進み、最優秀賞1点が決定した 第2回目となる2023年度の最優秀賞を受賞したのは、武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科卒の項 雅文さんによる「代替を超えるバイオ素材ー生えるおもちゃMYMORI」。キノコの菌糸体を素材にした子ども向けのおもちゃキットで、バイオ素材が置かれている現状を見直し、他素材の代替品としない未来の在り方を考え、生まれた作品だ。今回、同作品をデザインした項さんに、作品の制作背景やコンペへの取り組み方、受賞後の変化などをうかがった。社会課題を解決する手段を学んだ学生生活――まずは項さんご自身について伺いたいと思います。大学ではどのようなことを学んでいましたか?項 雅文(こう がぶん)武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科を卒業後、新卒で株式会社ディー・エヌ・エーに就職。現在はデザイン統括部に所属し、デザイナーとして活躍 私は2019年に新設された、武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科の1期生として学びました。社会課題の解決の手法や新しい価値を生み出すための考え方を学ぶような比較的新しいタイプの学科で、アウトプットの方法は絵画やグラフィックデザイン、映像などさまざまでした。美術大学の一般的な学部であれば、まず絵画や映像など専門領域のスキルを身につけて作品をつくる流れだと思います。しかし所属していた学科は、産学共同のプロジェクトなどで実社会における課題を発見し、その解決策について表現方法を含め柔軟に考えるといったスタイルでした。デザインを目的ではなく手段として捉えているのが面白いと思います。――例えばどのような課題に取り組みましたか?学科のキャンパスがある東京・市ヶ谷駅周辺の課題を見つけてくるというお題がありましたね。実際に街を歩いて観察するなかで、地下鉄のコンビニの前でおにぎりを食べるサラリーマンの姿が目に入って。市ヶ谷にはオフィスや学校が多く、春には桜が咲き誇る大きな川が流れていたりもするのに、ゆっくり休んだり昼食をとったりできるスペースがないことに気づきました。これに対して私は、川沿いに人が休めるような公共の場をつくる案を提案しました。授業で制作したプレゼン資料。都心において、自然の力を借りて心を休ませる場「WITH RIVER」を提案 この課題の評価はよかったのですが、ある教授から少し面白さや斬新さが足りないとアドバイスをいただいて。それから、自分にしかつくれないものや社会に新しい価値を生み出せるものはなにか?ということを意識するようになりましたね。――もともと項さんがクリエイティブイノベーション学科に進学しようと思った決め手はなんだったのでしょうか?私は中国の上海出身で、高校卒業とともに日本の大学を志しました。子どものころから美しいものが好きで、インターネットで好きなデザインに触れるうちに、日本のプロダクトデザインが世界的に見ても高いレベルにあることを知ったんです。日本のプロダクトは、特に機能面などでユーザーに配慮されたデザインが多いですよね。高校時代は理系のクラスだったこともあって、大学でも造形的なことだけではなく社会的な課題や科学の領域と接続したデザインを学びたいという思いがありました。その点、クリエイティブイノベーション学科のカリキュラムが私に合っていると思ったんです。ちなみに、私のゼミの先生は物理学の出身です。幅広い領域の課題に取り組むなかでデザインの可能性が広がったと思います。――大学卒業後は株式会社ディー・エヌ・エーのデザイン統括部に就職されています。現在のおもなお仕事内容についても伺えますか?現在はアートディレクショングループという部署に所属し、全社横断的な案件のデザインを担当しています。特に、企業のブランドイメージやコンセプトを目に見える形にビジュアライズするCIやVIに携わっています。作品の価値を確かめるためにニューホープ賞に応募――項さんが今回の「グッドデザイン・ニューホープ賞」に応募したのは新卒1年目の6月だったとうかがいました。どのような経緯でアワードを知り、応募を決めたのでしょうか。美術館に展示を観にいった際にニューホープ賞のチラシを見つけたのがきっかけでした。今回応募したキノコの菌糸体を素材にしたおもちゃキットは、大学の卒業制作で取り組んだ作品です。この作品にどれくらいの価値があり、自分のアイデアが社会的にどう評価されるのかを確かめるために、ニューホープ賞は絶好の機会だと思いました。菌糸体でものづくりをする楽しさや素材としての可能性を多くの人に知ってもらいたかったんです。 受賞作品の生えるおもちゃ「MYMORI」 また、卒業制作展のときに教授から「この作品は惜しいところがある」とコメントをもらったのが卒業後も印象に残っていて、もう少しブラッシュアップする余地があるかもしれないと思っていたのも、応募のきっかけのひとつです。今後、どういうデザイナーになりたいかを考えるためにも、もう一度多くの人に評価してもらえるチャンスだなと。――作品をブラッシュアップする絶好の機会になったんですね。改めて、今回最優秀賞を受賞した「代替を超えるバイオ素材ー生えるおもちゃMYMORI」の概要を教えてください。「MYMORI」は、家で育てるキノコの菌糸体を素材にした、3歳から10歳までの子ども向けおもちゃキットです。キノコの菌糸体という環境にやさしいバイオ素材を用いているのがポイントです。子どもたちはバイオ素材を身近に感じながら、キットを利用する体験によって能動的なものづくりを学ぶことができます。色を塗ったり、絵を描いたり、積み木やパズルのようにして遊んだりすることができる ――この作品に行き着いた背景には、どのような問題意識があったのでしょう。最初は同じゼミの友人に菌糸体の存在を教えてもらって。栽培するプロセスが楽しかったのと、出来上がったものの感触のよさなどに惹かれました。バイオ素材であるキノコの菌糸体は優れた耐熱性や軽さなどの特性があり、特にプラスチックの代替品として注目されることが多いです。もともとこうした「循環型のデザイン」みたいなものにはすごく興味があったのですが、菌糸体は単なるプラスチックの代替としてではない、新しいものづくりの素材としての可能性を感じました。加工が必要なプラスチックと比べて、家庭で簡単に制作できるのも利点です。今回の作品づくりの背景には、このバイオ素材が代替品を超えた次世代のスタンダードになればいいなという思いがありました。――そこから「おもちゃ」という形はすぐに導き出されたのでしょうか?おもちゃにいたるまでにはかなり悩んで、さまざまな形を試しましたね。お皿をつくったこともありましたが、市販のものに比べると丈夫さもなく、ゴミにならずに土に還る以外にメリットがあるのかなと疑問に感じて。これはまだ既存素材の代替に留まっているなと思いました。そこで、手触りもいい菌糸体が一番合うものは何だろう?と考え、おもちゃを思いついて。ザラザラした表面や軽い特質も活かし、最終的にパズルや積み木のような形状にたどり着きました。菌糸体は菌なので「なんとなく汚そう」と思われてしまうことも多く、そのイメージを払拭したいという狙いもありましたね。実際、キノコの菌はそこまで強くはなく、バイ菌が入るとすぐに死んでしまうような繊細で綺麗なものなんです。森の香りを感じたり、少し弾力がある感触もすごくいい。そうした素材自体に愛着を持ってもらうためにも、おもちゃというアウトプットは最適だったと思います。キットのビジュアルデザインにも力を入れました。
2024年5月15日(水)
ニュース

特別客員教授に資生堂 花椿編集室。名古屋芸術大学ヴィジュアルデザインコースの授業「アートブック」成果展が開催

名古屋芸術大学の芸術学部デザイン領域ヴィジュアルデザインコースで開講されている、3年生を対象にした授業「アートブック」。その成果展が、名古屋市のギャラリー・PAPER VOICE VELLUMにて、2024年5月14日から23日まで開催されます。特別客員教授を務めたのは、株式会社資生堂 花椿編集室編集長の塚田優子さん、アート&ヘリテージマネジメント部の山田尊康さん。授業では、花椿編集室の「編集の視点」を伝える講義や資生堂のアイデンティティを体感する「資生堂書体」のワークショップ、既成概念を外し、思考を柔らかくするワークショップなどが実施されました。その後、参加学生たちは歴史ある資生堂の企業文化誌『花椿』の最新号と同じ「OUR ENERGY」というテーマで、一般的なデザインの制約にとらわれないアートブックの制作に挑戦。成果展では、2024年1月に実施された学内発表のなかから選抜された14名の学生と、特別客員教授の塚田優子さん、山田尊康さん、担当教員の遠藤一成さん、特別参加で日本画家の佐久間友香さんの計18名が授業内で制作したアートブックと、この展示のために制作されたポスターが展示されます。
2024年5月9日(木)
ニュース

バンタンデザイン研究所が、京セラの“水をまもるために、まとう”「TRUE BLUE TEXTILE」プロジェクトに参加

京セラ株式会社が実施する、人々の環境意識の向上を目指した「TRUE BLUE TEXTILE(トゥルー・ブルー・テキスタイル)」プロジェクトに、クリエイティブ総合専門スクールのバンタンデザイン研究所が参加しました。同プロジェクトは、水の使用量を極限まで削減したインクジェット捺染(なっせん※)プリンター「FOREARTH(フォレアス)」で印刷した生地「TRUE BLUE TEXTILE」を制作、その生地を使用したファッションを通じて、”水をまもるために、まとう”という意義を多くの人々に考えてもらう取り組みです。※生地に模様を印刷すること2024年3月22日から24日まで京都市京セラ美術館にておこなわれた展示会では、ファッションデザイナーの森永邦彦が手がけるブランド「ANREALAGE(アンリアレイジ)」とバンタンデザイン研究所が、「FOREARTH」でプリントした柄生地を使った5着の衣装を展示。生地には高知県・仁淀川の水面が印刷されており、会場では同生地の吊り布が左右いっぱいに広げられ、まるで水が流れているかのような演出がほどこされました。京セラは同プロジェクトの活動を通して、繊維・アパレル業界が抱える社会課題解決に努めるとしています。初出:デザイン情報サイト「JDN」https://www.japandesign.ne.jp/news/2024/04/75882/
2024年3月27日(水)
ニュース

多摩美術大学がオルタナティブ・スペース「Up & Coming」を外苑前にオープン

学校法人多摩美術大学が、卒業後のアーティストキャリア形成支援と、これから躍進しようとしている新しく刺激的な才能と来場者との出会いを目的とした、オルタナティブ・スペース「Up & Coming」を東京・外苑前に2024年4月よりオープンします。同大学は、卒業後のアーティストキャリア形成支援を目的としたオルタナティブ・スペース「アキバタマビ21」を2010年から運営してきましたが、移転準備のため展覧会活動を休止していました。その運営方針を継承し、「Up & Coming」に名称を改めて新拠点にて再始動します。同スペースでは、展覧会の企画、展示設計、関連イベント企画、広報物やアーカイブ作成、アーティスト自身が手がける自己プロデュースのグループ展などが実施されるほか、アーティスト活動継続のためのヒントとなる情報提供などのサポートもおこなわれます。さまざまな団体との連携事業を展開することで、アートの受け手との関係性構築が目指されます。第1回目となる展覧会のテーマは「合図」。彫刻家の大石一貴、アーティストの齋藤春佳と張小船Boat ZHANGによる3人展が4月6日から5月12日までおこなわれます。また、3月31日には移転プレイベントとして、アーティストの石田尚志、O JUN、栗原一成と文化人類学者の中村寛の4名による「描くこと」をテーマとしたトークイベントが開催されます。初出:デザイン情報サイト「JDN」https://www.japandesign.ne.jp/news/2024/03/75770/
2024年3月27日(水)
レポート

学生デザイナーのファッションブランドも出展。「NEW ENERGY TOKYO」会場をレポート!

ファッション、アート、ライフスタイル……多様なクリエイションが集結した4日間約250組の多様なクリエイターが集結し、生活雑貨や食品、ファッションアイテム、アート作品などの展示販売を行うイベント「NEW ENERGY TOKYO」。ビジネスパーソンや一般の来場者との交流を通し、新たな価値を創造する場として開催されています。2024年は、エシカル、ファッション、ライフスタイル、産学官連携のエリアに分かれ、4日間にわたりショッピングや商談が行われました。東京・新宿にある新宿住友ビル三角広場で、2024年2月15日から2月18日まで開催された「NEW ENERGY TOKYO」本記事では、クリエイティブ系の学校5校が参加し、産学官連携事例が集まった「FUTURE FRIENDS」エリアをピックアップ。学校や学生による展示の様子をレポートします!廃材をアップサイクルしたバッグ、学生デザイナーのファッションブランドも「FUTURE FRIENDS」エリア入口 女子美術大学 短期大学部による「ReBloom」の展示風景。制作したのは短期大学部2年生の有志9名 まず紹介するのは、女子美術大学 短期大学部による出展です。学生有志が立ち上げた「自然」がテーマのバッグブランド「ReBloom」より、自然の豊かな美しさを表現したアイテムが並びます。 廃材を見事にデザインの一部として活用したバッグ 「ReBloom」の特徴は、乾燥機アンダーネットやハギレ、レーヨン刺繍糸といった、企業の製造過程で発生する廃材を使用していること。普段から環境問題に関心の高い学生が集まり、ブランドコンセプトから考えています。バッグの材料となる廃材を提供するのは、のぼり旗などの布への印刷会社である株式会社 田原屋。「布印刷+エコ+コミュニケーション」をコンセプトとした企業内プロジェクト「すってこ」と女子美術大学 短期大学部とのコラボレーションプロジェクトです。続いて紹介する文化服装学院の展示は、同校の選択科目「ファッションプランニング演習」のなかで生まれたファッションブランド「HiKASO」です。デザイナーはアパレルデザイン科3年生の辻野伽凜さんで、コンセプトは、身につけることで非日常を感じることのできる変身アイテムのようなブランド。作品は雑誌や広告などで使用されているほか、一般の消費者向けに受注販売も行われています。文化服装学院による「HiKASO」の展示風景  「ファッションプランニング演習」は、学生独自のファッションブランドのローンチを目指したブランディングや商品企画、制作などを経験することができる授業。経験豊富な先生のもと、リアルなビジネスの場を想定した学びが特徴です。 最後に紹介するのは、御茶の水美術専門学校が化学メーカーのDIC株式会社と取り組む共同プロジェクト「Crystallization of connection」の展示です。御茶の水美術専門学校による「Crystallization of connection」の展示風景  同プロジェクトでは、食品パッケージやペットボトルに使われるポリプロピレン(PP)をリサイクルしたカラフルな指輪を制作しています。DIC株式会社が持つ加工技術を活かした、地球にやさしいアイテムです。会場には、来場者が実際に指輪を制作できるコーナーがあり、ペレットが指輪に生まれ変わる過程を体験することができました。同校はSDGsの実現を積極的に推進する「国連グローバル・コンパクト」会員校でもあります。同プロジェクトの他にも、必修の産学官連携授業を年に4回以上実施するなど、学生が社会課題に触れる機会を多く設けています。学生と企業が出会い、情報を発信・交換できる場展示会場の中央に設けられた「カタリバ」。トークショーも行われた 「FUTURE FRIENDS」エリアの中央には、普段は交わる機会が少ない学生や社会人を含め、クリエイションに興味のある人ならだれでも交流できる「カタリバ」が開設されていました。ほかにも、学生を対象とした日本最大級のファッションデザインコンテスト「YKKファスニングアワード」やブックオフが主催する古着のアップサイクルコンテスト「Reclothes Cup」の受賞作品展示が行われるなど、会場のいたるところで企業の担当者や学校関係者、そして学生が情報発信・交換を行い、にぎわいを見せていた「NEW ENERGY TOKYO」の現場。ここからどんな新しいプロジェクトや繋がりが生み出されていくのか、出展した学生たちのさらなる活躍が期待されます!
2024年3月6日(水)
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ニュース

普通科の生徒も大歓迎!高校生向けのコンペティション「第3回 POLUS 木造住宅インターハイ」が開催中

総合ハウスメーカーのポラス株式会社が、高校生向けのコンペティション「第3回 POLUS 木造住宅インターハイ」を2024年4月26日まで開催しています。「POLUS 木造住宅インターハイ」は、高校生に「ものづくり」の楽しさを知ってもらいたいという想いからはじまったコンペです。第3回のテーマは「ボタニカルガーデンハウス」。SDGsが広く浸透するなか、緑や森林などの環境と共生する暮らしが注目されています。気候や植生、風土などの環境要素から建築がどう影響を受け、その共存をどう楽しむかを提案するデザインを募集しています。今回は、「ものづくり」 に興味がある高校生なら誰でも気軽に参加できるよう、設計部門と造形・造作部門の2部門で作品を募集。模型製作においては、厚紙や割りばし、折り紙など、家にあるものや安価で購入しやすい材料を使っての応募が可能となっています。建築を学んでいる高校生はもちろん、普通科やそのほかの学科の生徒からの応募も大歓迎のコンペ。興味はあるけどなかなか一歩を踏み出せないという方にもぜひチャレンジしてほしいコンペです。
2023年12月25日(月)