デザイン・クリエイティブを学ぶ学校をさがす際に、さまざまなことを検討する必要がありますが、まずは自身の興味関心がどの領域にあるのかを知ることで、自分に合った学校選びの最初のステップを踏むことができます。
デザインノトビラでは、「デザイン・クリエイティブを学び、将来を考えるための12ノトビラ(以下、12ノトビラ)」として、それぞれ12種類の「学べる内容」と「目指せる職業」を分類しています。まずは各カテゴリを知り、関心のある「学べる内容」と「目指せる職業」を調べてみましょう。その上で、学びの先にある将来のことをイメージしてみてください。
本サイトでは、各学校ごとに、カリキュラムに沿った「学べる内容」と「目指せる職業」のタグ付けを行なっています。ここでは、本サイトの「学べる内容」と「目指せる職業」について説明します。
デザインの世界では、グラフィックやプロダクト、インテリア、ファッションなど、デザインする対象ごとにそれぞれの領域が存在しています。デザイナーとして仕事をする際にも、なにをデザインしているのかによって「〇〇デザイナー」といった肩書きがあり、働く業界の種類によって多様な名乗り方があります。
デザイン・クリエイティブの世界では、領域ごとに特有の知識やスキルが必要となるため、学校選びの段階から、学びの先にある将来についても考えてみましょう。もちろん、かならずしも学生時代の学びと将来の職業が一致するとは限りませんが、卒業後の自分を思い浮かべながら進学先をさがすことで、より自分に合った学校を見つけることができます。
また、「12ノトビラ」の各カテゴリが扱う領域の中で、より専門的な分野や、学問的および職業として独立している分野に対しては、それぞれ「サブカテゴリ」を設けています。12種類のカテゴリを知る中で、さらに興味がある分野については、「サブカテゴリ」を起点に学部・学科をさがしてみるとよいでしょう。
たとえば、「グラフィック」を学びたいと考えているあなたが、A大学もしくはB大学への進学を検討しているとします。その時、どちらの学校にも「デザイン学部グラフィックデザイン学科」という名前の学部・学科がある場合、A大学とB大学のどちらを選べばよいのでしょうか。
グラフィックデザインを教えている学校は数多くあり、学部・学科名が同じ、もしくは似ている場合が多々あります。その際に、気になる学校のカリキュラムや授業の内容をつぶさに調べてみることで、同じ学部・学科名だとしても、「学べる内容」が学校によって異なっていることがわかります。
「グラフィック」を教える学校では、ポスターや本、雑誌などをデザインするための知識やスキルの習得がおもな授業であることが多いですが、カリキュラムによっては「写真」「イラストレーション」をあわせて教えている場合があります。グラフィックデザイナーとしてポスターをデザインする際に必要な文字や色、かたち、使用する紙の選択といった知識に加えて、写真やイラストレーションの表現をあわせて学ぶことで、より総合的な視覚表現についての知識を身につけてほしいという学校の考え方が、カリキュラムの中に表れているのです。
デザインノトビラでは、そういった学校に「グラフィック」「写真」「イラストレーション」のタグを付けています。学校が掲げている教育方針は多種多様であり、カリキュラムを通して学校の特徴を知ることで、より自分に合った学校を選ぶことができます。
学校選びの際には、学校が掲げる教育方針と、カリキュラム・授業について知ることが大切です。入学後の生活をより充実したものにするためには、なにを・どのように学びたいのかを知り、志望する学校でそれが実現できるのかを調べてみましょう。
ここまで、デザイン・クリエイティブの世界の「12ノトビラ」と、それぞれの「学べる内容」「目指せる職業」について紹介してきましたが、12種類のカテゴリは、互いに独立して存在しているというわけでは決してありません。「インテリア」は「建築」から枝分かれすることで専門性を深めていったカテゴリであり、概念的に重なり合う部分が多いです。他にも、「グラフィック」と「アート」や、「エンジニアリング」と「プロダクト」など、歴史の中で深くかかわり合いながら発展してきたカテゴリが存在しています。そのため、学校のカリキュラムによってはカテゴリをまたいだ「サブカテゴリ」のタグが付く学部・学科もたくさんあります。
また、デザイナー・クリエイターとして活動する方の中には、カテゴリの境界をまたぎ、複数の専門性を掛け合わせた働き方をする方も数多く存在します。「建築」を学び建築家となった方が、内装も手がけることで「インテリア」の領域で仕事をする場合や、「Webデザイナー」として活動しながら「映像」の領域で活躍するクリエイターもいます。
「12ノトビラ」では、「学べる内容」の延長線上にある仕事として「目指せる職業」を紹介していますが、カテゴリごとの境界はかならずしも絶対ではありません。
デザイン・クリエイティブの世界において大切なのは、なにかをつくるためにアイデアを練り、それらに具体的なかたちや輪郭を与えていくための造形力や知性、感性であり、「12ノトビラ」のすべてのカテゴリは、そういった本質的な部分で共通しています。各カテゴリは、領域ごとに分かれることで専門性が深められ、職業として洗練されてきた歴史がありますが、根源的な部分ではつながり合っているのです。
好奇心を育むことができる学校という場所で過ごす中で、デザイン・クリエイティブの世界をより深く知り、進学前には気づかなかった新たな興味関心を発見することもあるでしょう。
「12ノトビラ」は、デザイン・クリエイティブの世界を知るための、あくまでひとつの視点・考え方に過ぎません。「12ノトビラ」のカテゴリの境界を決めるのはみなさんの学び方次第であり、将来の働き方次第だとわたしたちは考えています。12種類のトビラの中から興味のある入り口を見つけ、「知りたい」「学びたい」という好奇心に耳をすませ、あなたにとって最適な学校をさがしてみてください。
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