アート

表現の技術・アートを活かす知識を学ぶ

デザイン・クリエイティブの世界への入り口となる「 12ノトビラ 」の各カテゴリを紹介しています。

絵画

絵画の技術と表現について学ぶカテゴリです。観察力・表現力・造形力といった基本的なスキルの習得を目指すドローイングや模写、写生実習をはじめ、材料や技法についての理解を深め、作品制作を通して表現技術を習得していきます。学部・学科によっては日本画を専門的に扱う場合や、油彩画・アクリル画といった洋画の技術、フレスコ・モザイク・ステンドガラスといった古典的技法について専門的に教えている場合もあります。


また、近年では印刷物やさまざまなものと絵画を組み合わせたミクストメディアや、空間を用いた表現としてインスタレーションについてあわせて学ぶ学校も多いです。

版画

版画の技術と表現について学ぶカテゴリです。デッサンなどの基礎的な実習をはじめ、銅版、石版(リトグラフ)、木版、スクリーンプリントといった各種技法を身につけていきます。座学では印刷といった複製技術の歴史についての理解を深め、作品制作を通して表現力を身につけていきます。学校によっては、「写真」の基礎と現像技術についても学ぶ場合や、製本や絵本づくりなどの実習を経験できる場合があります。

彫刻

彫刻の技法と表現について学ぶカテゴリです。観察力・表現力を身につけるためのデッサンなどの基礎実習をはじめ、塑造実習を通した造形力の習得や、木・石・鉄といった素材を用いた制作実習を経験していきます。近年では、樹脂やシリコンを使用したフィギュア作品の制作に取り組む学部・学科もあります。

書道

芸術表現としての書道について学ぶカテゴリです。日本および中国の書道史といった知識をはじめ、作品制作の実習を通して書の表現技術を習得することができます。学部・学科によっては、現代における書のあり方として「グラフィック」といったデザイン領域について合わせて学ぶ場合もあります。

メディアアート

映像や音響、コンピュータ、インターネットなど、おもにテクノロジーを用いた表現を学ぶカテゴリです。「なにかとなにかをつなぐ」「媒介する」などを意味するメディアが示す通り、さまざまな対象や手法の組み合わせによって表現が生まれている領域であるため、「Web」「VR・AR」「ゲーム」「写真・映像」「プログラミング」など、複数のカテゴリの知識と技術を学び、実習や卒業制作を通して作品づくりを経験することができます。

アート全般

さまざまな領域の芸術表現について、幅広く実技を通して学ぶカテゴリです。年次が進むにつれて専門性を深め、卒業制作にあたって特定の領域への知識と技術を深く学んでいく場合や、学部・学科によっては「アートマネジメント」や「美術教育」を専門的に学ぶ上での基礎科目として履修する場合も多いです。

アートマネジメント

美術館・博物館で働く学芸員や、展覧会を企画する「キュレーター」を目指すための知識や、芸術祭・アートプロジェクトの企画・運営のために必要な知識などを学ぶカテゴリです。対象とする領域の幅が広く、学部・学科のカリキュラムによって扱う領域が大きく異なるので、学校によっては「アートマネジメント」と表記されていない場合もあります。

美術保存・修復

美術品や工芸品といった文化財の保存・修復について学ぶカテゴリです。さまざまな時代の美術品などを扱う上で必要となる歴史や修復にあたって使用する素材についての知識をはじめ、実習を通して技術を身につけていきます。学校によっては基本的な技術の習得を目的に「絵画」「彫刻」などのカテゴリをあわせて学ぶ場合もあります。

美術教育

中学・高校の美術教員になる上で必要な知識と技術を学ぶカテゴリです。幅広い基礎知識の習得を目的に「アート全般」「工芸」「写真・映像」などをあわせて学ぶ学校が多いです。年次が進むにつれて、美術史や教育理論、教育心理学などの知識を学び、教育実習を通して実践的な経験をすることができます。


参考文献

  • 久保田晃弘、畠中実「メディア・アート原論 あなたは、いったい何を探し求めているのか?」フィルムアート社、2018

  • 新見隆、伊東正伸、加藤義夫 、金子 伸二、山出淳也「アートマネージメントを学ぶ」武蔵野美術大学出版局、2018

  • 美術手帖編集部「現代アート事典 モダンからコンテンポラリーまで…世界と日本の現代美術用語集」美術出版社、2009