エンジニアリング

科学の視点から「ものづくり」の理論を学ぶ

デザイン・クリエイティブの世界への入り口となる「 12ノトビラ 」の各カテゴリを紹介しています。

エンジニアリング

「工学」を意味する「エンジニアリング」は、「建築」「プロダクト」といったデザインの領域と深く関わりのあるカテゴリです。「ものづくりの科学」と表現されることもあり、デザインが設計や計画を視覚化する技術である一方で、エンジニアリングは物理学や科学に基づき、製造工程を安全で確実なものにするための研究分野として発展してきました。本サイトでは、デザインと関わりのあるエンジニアリングの領域をサブカテゴリとして紹介しています。

機械工学

機械の設計・製作について学ぶカテゴリです。自動車や鉄道、電化製品といった身近なものから、ロボットや精密機械など、あらゆる「ものづくり」のための科学と技術を学んでいきます。機械力学、熱工学、流体工学、材料力学といった基本となる科学的な知識を身につけ、さまざまな分野における機械の開発や改良に携わるためのエンジニアとしての技術を学んでいきます。近年さかんに研究されている自動運転やロボットの開発についても扱う学部・学科では、「プログラミング」「情報工学」「人工知能」についてあわせて学ぶ場合もあります。

電気電子工学

電気回路や電力システムについて研究する電気工学と、半導体や電子回路、マイクロプロセッサについて研究する電子工学が合わさったカテゴリです。電子や電磁気、量子力学といった物理学を学び、テレビ、ラジオ、コンピュータ、集積回路といった身近な電子機器の開発や、火力・水力・原子力・自然エネルギーといったあらゆる発電システムに関する知識を身につけていきます。

情報工学

インターネットや情報通信ネットワーク、スマートフォンといったモバイル端末における情報のやりとりについて研究するカテゴリです。情報処理や画像処理、ネットワーク、データベースについての知識をはじめ、ソフトウェアの開発などに必要な技術を学んでいきます。カリキュラムに「プログラミング」が含まれることが多く、「3DCG」「VR・AR」「人工知能」に関連する研究を扱う学部・学科もあります。

航空宇宙工学

飛行機やロケット、人工衛星、宇宙船、惑星探査機などの開発・設計について学ぶカテゴリです。「機械工学」の一分野としてスタートし、現在では先端科学技術による専門的な学問として研究されています。機械工学同様、機械力学、熱工学、流体工学、材料力学を基礎に、翼やプロペラ、ジェットエンジン、ロケットエンジンなど、本カテゴリ特有の開発に必要な知識と技術を身につけていきます。

船舶・海洋工学

船舶の設計・建造について学ぶ船舶工学と、海上・海中・海底におけるエネルギー開発や建設技術などを学ぶ海洋工学が合わさったカテゴリです。「機械工学」「電気電子工学」「建築」との関わりも深く、関連のある力学や工学について学びながら、船や海上都市、海中施設など設計・建設に必要な知識と技術を身につけていきます。

材料工学

新しい材料の開発や材料の性質・性能の研究を行うカテゴリです。化学・物理学の知識をベースに、機能性が高い材料や、省エネルギーの材料、環境に優しい材料など、さまざまな分野で使用される材料の研究開発に必要な知識と技術を身につけていきます。他のエンジニアリングカテゴリと横断的に関わりがある上、「プロダクト」「ファッション」などのカテゴリへの応用が期待される分野です。

人工知能

人工知能(AI=artificial intelligence)について学ぶカテゴリです。機械学習の基本や、関連するプログラミング言語の習得をはじめ、ディープラーニングやデータ解析など、人工知能への理解と実装に必要な知識と技術を身につけていきます。学校によっては、ロボットについて学ぶ「機械工学」の学部・学科で教えている場合や、「情報工学」を扱う学部・学科で教えている場合もあります。


参考文献

  • 日本インダストリアルデザイン協会「プロダクトデザイン[改訂版]: 商品開発のための必須知識105 」 ビー・エヌ・エヌ 2021

  • フロムページ夢ナビ編集部、国立大学56工学部系学部長会議「国立大学で工学を学ぼう」フロムページ、2019

  • 三輪修三「工学の歴史ー機械工学を中心に」ちくま学芸文庫、2012

  • メラニー・ミッチェル「教養としてのAI講義 ビジネスパーソンも知っておくべき「人工知能」の基礎知識」日経BP、松原仁解、尼丁千津子訳、2021