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デザイナーの仕事の魅力とは?これからデザインを学びたい人へのメッセージ

クリエイターズクラブ「NEW」インタビュー(3)
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本サイト、「デザインノトビラ」のロゴデザインを手がけたクリエイターズクラブ「NEW」のインタビューシリーズ。ロゴのデザインプロセスから、NEWのメンバー4人にとってのデザインとの出会い、武蔵野美術大学での学生時代や卒業制作についてうかがった本シリーズの最後に、4人が感じるデザインの魅力や、これからデザインの世界へ足を踏み出そうとしている読者へのメッセージをお話しいただきました。

 

  ――みなさんが感じるデザインの仕事ならではの魅力やおもしろさを教えてください

 

藤谷力澄さん:デザインは誰かの依頼や期待に応えるという仕事だと思うので、誰かが考えた思いや熱量を自分たちの手でかたちにできるところにおもしろさを感じていますね。アイデアがかたちになり、それがまた誰かへと伝わっていくところにも楽しさがありますね。

 

沖田颯亜さん:私はまず、人に愛されるものをつくり出せるのがこの仕事の楽しさだと思います。それから、いままで気づかなかった新しい美意識に出会えることもとてもいいことだなと感じていて。自分が美しいと思うものに出会えることって、人生をより豊かにできると思います。なにかを美しいと思えるセンサーを自分の中にどれだけ増やすことができるかが、この豊かさに直結すると思ったんです。だから、そういう感覚を研ぎ澄ますことができるデザインは魅力的な仕事だと思います。


山田十維さん:僕は自分たちが手がけたものをかたちとして表現できるところが、この仕事のいちばんの魅力だと思っています。自分がつくったものがこんなにもわかりやすく世の中に出る仕事って、意外に少ないと思うんですよね。デザイナーとして「自分はこれをやりました」と誇りをもって言えるので、それはデザインの仕事の醍醐味だと捉えています。

 

坂本俊太さん:思い返すと、僕は小学生の頃から物事をぼーっと考える癖があって、話を聞いていないと思われることが多かったんですが(笑)、いまはデザイナーになったことで、そのことを仕事にできているのがすごく嬉しいんですよね。ひたすら考えていても許される職業というか、しかもそれがかたちになることで誰かを幸せにできるので、そこがデザインの仕事のよさだなと思います。


クリエイターズクラブ「NEW」

(左から)藤谷力澄さん、山田十維さん、沖田颯亜さん、坂本俊太さん

 

――これからデザイン系の学校を受けたい人や、迷っている人に対してのメッセージなどがあればお願いします。

藤谷力澄さん:デザインはコミュニケーションのひとつで、たとえば声色や抑揚であったり、届ける相手との関係性によってどんな風に届けるかを考えることだと思うんですね。どのように届けるのかという答えは人それぞれで正解はないですし、ある意味ではどれも正しいと思うんです。

美大はとにかく課題が多いので、目の前の課題を解決することに精一杯になってしまうこともあるかもしれませんが、何のためにデザインをやっているのか、その先にちゃんと相手がいることを忘れないで取り組むと、楽しめるんじゃないかと思います。


沖田颯亜さん:私は、小さい頃は好きになれるものがあんまりなくて、それが自分の中ですごいコンプレックスだったんですね。好きなことがあればそのことに突っ走れるはずなのに、将来どうしようと思っていて……。

でも、それって裏を返せばいろんなことにまんべんなく興味があるということなのかな、と考えるようになりました。もし学部選びで迷っている人がいたら、そうやって少し視点を変えてみることで、自分に合った道が見つかるかもしれません。興味がない分野でもシャットアウトせずに、まずはいろいろな場所に行ってみる。もしくはInstagramなどのSNSでもいいので、たくさんの先輩の作品に触れてみることはとてもいい刺激になると思います。


山田十維さん:自分は学生時代からまったくデザインエリートじゃないと思っています。社会人になったいまでも自信を持ててないように思えます。これからデザインをはじめる人も、きっと自信がなくなることもあると思いますが、きっと大丈夫です。これは自分調べになってしまいますが、自分がとても尊敬しているデザイナーでも、ずっとつくるものに対して自信がないといっていました。

ただ、それは僕から見ると、だからこそその不安を払拭するために何度も手直しをし、美しいデザインに仕上げているように感じています。 なので、自分に自信を持てる人も素敵ですが、持っていない人もそれが才能だと思い頑張って欲しいです。


坂本俊太さん:デザインノトビラは、デザインを学びたいと考えている人のためのサイトだと思うので、この記事にたどり着く時点でデザインに向いている人だと思うんですね。その人は、これまでに褒められたことがある経験が、デザインに関係することだったんじゃないかなと。褒められるということは、社会の中で価値があるということだし、そのことをやった方がいいと思いますね。

デザインの仕事は「よくなるために工夫すること」で、それはどんな仕事にも必要だし、学んでみて損はないですし、この道に進んで後悔はないと思います。


クリエイターズクラブ「NEW」

NEW

「NEW」 は、山田十維を中心に、沖田颯亜、藤谷力澄、坂本俊太の4名で活動しているクリエイターズクラブ。デザインをバックグランドとしつつ、様々な分野を掛け合わせながら活動している。モノやコトがあふれる時代を生きるクリエイターとして、人の行動や感情に寄り添う「新しさ」と真摯に向き合っている。 http://neeeew.jp/


(上の写真左から)

坂本俊太(さかもとしゅんた) 
1993年生まれ。大阪府出身。武蔵野美術大学 基礎デザイン学科卒。instagram:@sakamotoshunta twitter:@skmtshnt

山田十維(やまだとおい) 
1994年生まれ。東京都出身。武蔵野美術大学 基礎デザイン学科卒業後、世界株式会社(CEKAI)を経て、2021年よりNEW inc.を設立。企業のブランディングやプロダクト開発に携わり、デザイナー・アートディレクター、時にはプロデューサーとして活動している。家業は、箱の設計を得意とする印刷加工会社。twitter:@neeeewjp

沖田颯亜(おきだそうあ)
1993年生まれ。東京都出身。武蔵野美術大学 基礎デザイン学科卒業。同年資生堂クリエイティブ本部に所属し、アートディレクターとして活動中。主に、ビューティーブランドや中国茶/クラフトビールなどの飲料系のパッケージを含めたコミニケーション全体のアートディレクションを手掛ける。 instagram:@soa.okida

藤谷力澄(ふじたにりきと)
1995年生まれ。東京都出身。武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒業。instagram:@rikitofujitani

文:開洋美 写真:寺島由里佳 取材・編集:堀合俊博(JDN)


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インタビュー
東京デザインプレックス研究所 (昼1年制)

デザイナーへの近道は「1年間の実践授業」と「デザインコンペ」

デザイナーになりたい。だけど、どんなステップを踏めば良いのかわからない。そんな方にとって「デザイン学校」と「デザインコンペ」は理想を叶える手段になるかもしれません。学校で身につけた知識やスキルを、デザインコンペを通して実績に変える。新たなキャリアを切り拓くカギが、好きなことを仕事につなげる「デザイン学校」と「コンペ」に隠されています。今回は、デザインノトビラとコンテスト情報サイト「登竜門」の連動企画。実践的に学べるデザイン専門校「東京デザインプレックス研究所(以下、TDP)」を卒業し、デザインコンペ受賞の実績を活かしてデザイナーへの転身に挑む増谷誠志郎さん(以下、増谷)と髙田夏希さん(以下、髙田)にお話を伺いました。「デザインノトビラ」では、学校での学びを中心にご紹介します。【「コンペ編 by 登竜門」はこちら!】新たなチャレンジを、東京デザインプレックス研究所で。― 増谷さんは社会人を4年間経験した後、髙田さんは大学休学後にTDPに入学されているとのことですが、入学前はどんなことをしていたのですか?増谷:もともとものづくりが好きで、自動車部品メーカーでエンジン部品の開発に携わっていました。そんな中で、4年目には自分がやりたかったことは一通り経験できたと感じるようになって。そこで改めて「自分が今一番やりたいことって?」と考えた時に、学生時代から興味があったデザインが思い浮かんだんです。でも、当時の僕にはデザインに関する知識は何もなかったので基礎から学ぼうと、デザイン系の学校を探し始めました。増谷誠志郎(ますたにせいしろう) 自動車部品メーカーに4年間在籍後、東京デザインプレックス研究所 デジタルコミュニケーションデザイン専攻に入学、2020年3月修了。同年9月に友人と「SANAGI design studio」を設立。代表作は、2020年度 東京ビジネスデザインアワードの最優秀賞提案であり後に商品化した「さかなかるた」で、2022年グッドデザイン賞(グッドデザインベスト100、グッドフォーカス賞)も受賞している。2021年度 東京ビジネスデザインアワードでも優秀賞など3つの賞を獲得。 ― デザインとは全く異なる分野からのチャレンジだったのですね。髙田さんはいかがですか?髙田:私は大学で演劇を学びながら、役者を目指してオーディションや舞台の稽古に明け暮れていました。しかし、舞台活動に打ち込むと大学に通う時間がない。まずは自分がやりたいことに向き合おうと、2年生の時に大学を休学することにしました。デザインの仕事に興味を持ち始めたのは、音楽活動をしている知り合いのCDジャケット制作がきっかけでした。私が以前から趣味でイラストを描いていることを知って、依頼してくれたんです。それから、演劇をしながらデザイン制作活動もするようになりました。髙田夏希(たかた なつき) 大学で演劇を専攻した後、東京デザインプレックス研究所 デジタルコミュニケーションデザイン専攻に入学、2022年3月に修了。同校講師アシスタントを務め、現在はフリーランスのデザイナーとして活躍中。「デザインで演劇を盛り上げる」という目標に向けて制作活動を行う。「JAGDA国際学生ポスターアワード2022」金賞受賞。 ― デザイン系の学校への入学を決めた理由はなんだったのでしょうか?髙田:演劇もデザインも本当に楽しくて、両方続けていきたかったのですが、現実的にお金を稼ぐことを考えて、デザインスキルを磨いていこうと、デザイン学校への入学を決めました。個性豊かで熱量の高い生徒に囲まれた、刺激的な学校生活。― 多くのデザイン系専門学校がある中で、TDPを選んだ決め手を教えてください。増谷:僕はとにかく早くスキルを身につけたいという想いがありました。だから、1年制で短期間、かつ実践的な授業が多かったTDPが一番魅力に感じたんです。エンジン部品開発に携わっていた時から「やりながら覚えていくこと」を大事にしていたので、学び方のスタイルも自分に合っていると思いましたね。髙田:私も増谷さんと同じ理由でしたね。実践的な授業でいうと、たとえば広告やパッケージ、Webサイト制作など実際に作品をつくる授業だけでなく、デザインの目的から組み立てるブランディングの授業などがありました。デザインの仕事に必要な工程を一から学ぶことができるので、デザイナーに必要なスキルが身につくと思ったんです。― 実際にTDPに通い始めた時の心境はいかがでしたか?増谷:「想像以上にいろんな人がいるんだなあ」と驚きの連続でした(笑)。僕と同じように仕事をやめて入学した人も多く、それぞれが違った専門性を持っていて、本当に刺激になりましたね。牛への愛をひたすら語る農協出身のクラスメイトもいて、今でも強烈に覚えています(笑)。髙田:私のクラスも個性的な人が多かったです!だけど、デザインに関してはみんな初心者。だからこそ、クラスメイトの成長がそのまま自分への刺激になるんです。1年という限られた時間だからこそ、「絶対にこの間に学びきろう!」という意欲をみんな持っている。とにかくみんなの士気が常に高い環境でしたね。授業風景 デザインそのものの考え方が、今の仕事にも生きている。― 学校生活についてお伺いしましたが、TDPで学んだことの中で、今の仕事に活きていることを教えてください。増谷:やはり実践的なスキルが学べたのはとても大きかったように思います。特に「プレックスプログラム」という各業界のトップクリエイターが登壇するワークショップでは、実際の案件をベースにしたワークを通して、デザインにおける根本的な考え方を学ぶことができました。「プレックスプログラム」のワークショップの様子 入学前の僕は、デザインとはかっこいいモノをつくることだと思っていました。しかし、ワークショップでロゴ制作や商品企画をしていると、むしろ見た目以外の部分の考察が大切だと身にしみてわかってくるんです。まず目的やターゲットをしっかり考え抜くこと。デザインを機能させるために、この考えはデザイナーとしてずっと大事にしています。― 増谷さんは卒業後デザインコンペ『東京ビジネスデザインアワード』で最優秀賞を獲得していますが、応募作品を制作する際にも、デザインの目的やターゲットから向き合うという考え方を大事にしていたのでしょうか?増谷:そうですね。僕は42億色を表現できる印刷技術を持った企業の課題を解決するために、「さかなかるた」というプロダクトを考案しました。このプロダクトを制作する時に一番大事にしたのは「その企業が持つ技術力を活かしながら、看板商品となる新たな収益源をつくる」という目的。そのために、「企業内で制作を完結できるか」ということをかなり意識してデザインしました。2020年度東京ビジネスデザインアワード最優秀賞・2022年度グッドデザイン賞「さかなかるた」 金賞獲得のカギは、さまざまな人の目線を取り入れたこと。― 髙田さんも卒業後に『JAGDA国際学生ポスターアワード2022』で金賞を受賞しています。どんなことを意識しながら制作していたのでしょうか?髙田: この作品は、自分が当事者であることと、配置するもの全てに意図を持たせることを意識しながら制作しました。あと、たくさんの人に意見を聞きました。作品に対して意見を聞くことに苦手意識があったのですが、この作品では初めて素直に意見を聞けました。皆さまざまな好みがある中、汲み取りたいところを汲み取って、自分に響かない意見は反映させない、という判断ができたのは大きかったと思います。JAGDA国際学生ポスターアワード2022 金賞「ILY」 デザインコンペへの挑戦について、詳しくは「コンペ編 by 登竜門」へ!「迷ったらGO!」道筋は入学してから見つかる。― 最後に、TDPに興味を持っている方や入学を検討している方に向けて、メッセージをお願いします!髙田:TDPは課題も多く大変なことはたくさんありますが、1年しかないからこそ、途中でだらけることなく学業に専念できる学校です。また、グラフィックもWebも両方学べるカリキュラムなので、デザイナーとして様々な武器が身につけられる。私自身、グラフィックの仕事を中心にやりつつ、Webデザインの仕事も受注したりと、幅広い業務に携わることができています。とにかく私から言いたいのは「迷ったらGO!進んでほしい」ということです!今は目標ややりたいことがはっきりしていなくても、TDPに通っている中で道筋が見えてきます。増谷:やる気次第でどうにでもなるので、難しいことは考えずに「デザインを学びたい」と思ったらまっすぐ突き進んでみてほしいと思います。髙田さんも言っていましたが、具体的なことは入ってみてから考えればいいし、TDPはいろんな選択肢が広がっている場所です。「1年で絶対に学びきるぞ!」という気持ちで、なりたい自分に近づいていってほしいですね。
2023年3月22日(水)
コラム

美大・デザイン系学校志望は必見!「卒業制作展(卒展)」イベント情報&レポート

美大・デザイン系学校を目指すなら!学びの集大成「卒業制作展(卒展)」は必見春が近づき、そろそろ志望校選びを……と思っている皆さん。美大・デザイン系学校を目指すなら、「卒業制作展(卒展)」がオススメ!学校選びのヒントが詰まっています。志望校選びのために美大・デザイン系学校の「卒業制作展(卒展)」を見にいくメリットは、おもに3つ。1.学校の学びの集大成「卒業制作」が一挙に見られる一般的な大学でいう卒業論文にかわるのが「卒業制作」。多くの学校では、最終年次の1年間をかけ、学びの最終成果として卒業制作に取り組みます。そうして作られた作品が一堂に会する卒業制作展に行けば、この学校でどんなことが学べるのか?ゼミの特色は?といったことが一目でわかるんです!拓殖大学 デザイン学科/工学研究科情報・デザイン工学専攻『卒業・修了展』の様子 2.学校に通っている先輩に、話を聞けるかも!卒業制作展の会場には、展示作品の作者である卒業間近の学生さんがいることが多いです。話しかけると、作品のことや制作プロセスなどを教えてくれることもありますよ。3.学内開催の場合は、キャンパスに入れるコロナ禍もあり、普段は一般開放されていないことも多い大学・専門学校のキャンパス。卒業制作展が学内で行われる場合は、キャンパスの様子をみることができる貴重な機会となります。もうすぐ会期終盤!今すぐ美大・デザイン系学校の「卒業制作展(卒展)」を探すには?美大・デザイン系学校の「卒業制作展(卒展)」は3月半ばまでが開催のピーク。開催情報を探すなら、おすすめは「デザインノトビラ」の「イベントを探す」。会期や地域、さらには学べる内容で絞って卒業制作展を探せちゃいます。自宅近くにある大学・専門学校や、自分が学びたいことに取り組んでいる大学・専門学校の「卒業制作展(卒展)」を探して、ぜひ行ってみてくださいね! トップページのボタンからも探すことができるんです! キャンパスでの開催を見逃してしまったら?「卒業制作展レポート」特集がおすすめ!とはいえもう3月。目当ての大学・専門学校の「卒業制作展(卒展)」は終わっていた……。行きたい大学・専門学校は遠くて足を運べなかった……。そんな方も多いのではないでしょうか。そんな時におすすめするのが、「デザインノトビラ」の「読みもの」コーナーにある「卒業制作展レポート」です!学校、または学部学科ごとに開催された「卒業制作展(卒展)」の会場風景や、よりすぐりの学生作品を一挙公開。おうちやスマホから、気になる美大・デザイン系学校の「卒業制作展(卒展)」の様子を知ることができます。ぜひ、トップページや、「読みもの」コーナーの記事一覧から「卒業制作展」の表示がある記事を選んで、見てみてくださいね!「卒業制作展」と書かれている記事をチェック!美大・デザイン系学校のキャンパスで、あるいは「デザインノトビラ」読みものコーナーで。「卒業制作展(卒展)」を楽しんでみてください。
2023年3月9日(木)