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学生デザイナー×学生経営者が二人三脚で運営するショップ「アナザー・ジャパン」の学びとは?

学外プロジェクトでデザイナーとして活躍する大学生インタビュー
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いま、デザイナーに求められているのは、製品の形やパッケージなどの目に見えるものだけではなく、コンセプトや戦略のような、形のないものまでデザインする力。そんな広義のデザイン力を養える場でもあるのが、『新しい発見と懐かしさを届け、もうひとつの日本をつくる』をビジョンに掲げ、学生が本気で経営を学び実践する47都道府県地域産品セレクトショップ「アナザー・ジャパン」です。


アナザー・ジャパン店舗外観
(Photo : Kiyoshi Nishioka)

 

舞台は東京駅前の再開発プロジェクト「TOKYO TORCH」。参加するのは、「郷土愛」と「フロンティアスピリット」を持ち、数ヶ月間にわたる選考を経て集まった学生21名。店頭に置かれる商品は2ヶ月ごとに産地を変え、入れ替わるシステムです。日本全国を地域ブロックごとの6チームに分け、3人の経営担当の学生と、伴走するデザイン担当の学生1人が商品の仕入れから店舗づくり、運営、接客までを担います。


なかでも今回は、デザイン担当の学生として、「アナザー・ジャパン」の経営を支える3名のデザイナーを紹介。デザイナーとして応募しようと思った理由や活動内容、得られた学び、卒業後の夢や目標について語っていただきました。

それぞれの応募のきっかけとデザインへの思い


――まず、みなさんが経営者枠ではなく、デザイナー枠で応募した理由を教えてください。


谷中晴香さん谷中晴香(たになかはるか) 群馬県出身。群馬大学医学部医学科4年生


谷中晴香さん(以下、谷中):もともと大手教育企業の学生チームで、デザイン統括としてWebサイトやアプリ、販促物などのデザインを担当していたこともあり、平面デザインは経験がありました。将来は医師になると考えたときに、空間デザインやそのほかのデザイン分野についても学んでみたいと思ったのが応募のきっかけです。


医療の世界はデザイン分野が未開拓で、たとえば手術などに関する説明書きや院内の明るさ、器具の配置など、あらゆるところにデザインが介入する余地があると感じています。だから学生のうちに、どこまでデザインで解決できるのかを知ってみたいと思いました。


今井咲希さん今井咲希(いまいさき) 神奈川県出身。武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科3年生


今井咲希さん(以下、今井):私は、もともと美術大学を志望した理由も「地域活性に携わりたい」という思いからでした。自分で創造性を操れる人の方が自分の思考を社会に反映させやすいと考え、その術を身につけたいと思ったんです。またデザインを人に届けるためには、戦略的な部分も同時に学ばないといけないと考えていて、アナザー・ジャパンでは戦略を練るところから経営者と伴走しつつ、クリエイティブなアウトプットもできる点に惹かれました。


滝本陸人さん滝本陸人(たきもとりくと) 埼玉県出身。早稲田大学文化構想学部文化構想学科3年生


滝本陸人さん(以下、滝本):僕は大学1年生のときに趣味でデザインをはじめて創作の楽しさに目覚め、2年生でグラフィックデザイナーとして個人で活動していました。そんななかで自分をもっと鍛えたい、自分のデザインや考え方を成熟させたいと思ったのが応募した理由です。デザイン事務所のインターンなども探していたけど、一番の決め手は、コンセプトから構想したり、お店づくりから携われたりすること。何年も経験を積み上げてきたデザイナーしかやらせてもらえないような仕事に挑戦できるというのは貴重な機会だと思いました。


学生が考える、組織でのデザイナーの役割


――研修を受け、それぞれプロジェクトを進めているとうかがいました。具体的にどんな活動をしていますか?


谷中:研修ではまず、それぞれが各地域の担当チームに入って、3人の経営者がどんな思いを持っているか聞いた上でコンセプトづくりをします。これがデザイナーとして最初の仕事。並行して、アナザー・ジャパンらしさを表現したイメージコラージュを作成。こういう雰囲気のお店にしようとか、こういう雰囲気の場所に並ぶような商品を集めよう、などを考えていきます。これは経営者の商品セレクトにも反映されます。


滝本:僕は九州を担当しています。イメージコラージュと並行して、企画自体のコンセプトづくりや陳列方法、タペストリーなどのデザイン、地域の事業者さんとのコラボ商品のパッケージデザインなどの準備に追われています。

滝本さん制作のタペストリー

九州担当の滝本さんが制作したタペストリー。2023年8月9日~10月1日まで開催している「アナザー・キュウシュウ」にて使用される


今井:私はコンセプト成形から商品のセレクトまでをおこないつつ、近隣のホテルやビルに置かせてもらうチラシや掲示するポスターなど、販促物のデザインを進めています。また、コンセプトや雰囲気が伝わるビジュアルをつくるための撮影に立ち会い、プロのデザイナーやカメラマンにサポートしていただきながらスタイリングやディレクションも経験しました。


――経営者に伴走しながら、デザイナーとしてさまざまな場面で活動されていると思いますが、デザイナーにはどんな役割が求められていると感じますか?


アナザー・ジャパンのミーティングの様子

 経営チームとデザイナーチームによるミーティングの様子


谷中:課題を解決することが、デザイナーの役割だと思います。経営者もそれぞれにクリエイティビティがあって、表現したいコンセプトなどがあるなかで、根本的な課題や目指したいところはどこだろうと考え、収束させること。いまはそこを意識して、いろいろなクリエイティビティをまとめてコンセプトづくりをしています。


今井:私は課題解決に加えて、新しい価値を提供するというのもデザイナーやクリエイティビティの役目だと感じています。その新しい価値を提供するためには、ものの本質、根源を突き詰めて見極める力も重要で、そこがデザイン力だと思います。


滝本:参加する前は、デザイン的な思考力がなかったなと気づきました。想像力だけだった。コンセプトを決めたり、イメージコラージュをつくったりするときなどは、何をあらわしたいのか、何がその地域らしさなのかをリサーチから引き出して、土台をつくって考えないといけない。そういったやり方を知ったのは衝撃でした。アート寄りの頭だったのが、研修を経てデザインの思考に変わってきている感じはあります。デザイナーもロジカルに考える力が大事で、経営者の視点も持ちながら、いろいろなアイデアをまとめたり、違う切り口でアイデアを出したりして議論を進展させる努力も必要だと思いました。


壁にぶつかりながら得た、新しい学びとは


――いまぶつかっている壁や学びはありますか?


谷中:異なる人のいろいろな考えを、背景もふまえた上でまとめるということが難しいと感じています。最終的に1つの意見にするためにはほかの意見を捨てなくてはいけない。研修では、「やらなくていいことを決める」ことが大事だと学びました。そのときに大切だと思ったのが、その決断に関わるすべての人と話をすること。だからこそ、同じビジョンを持つこと、率直な意見が言える関係性や心理的安全性が大事だと学びました。


今井咲希さん


今井:困難なことは、経営者との間でデザインの共通言語をいかに築いていくかというところです。デザインの方向性はパッと決まるものではなくて、背景があってこそ生まれます。そういった内容を理解しやすく伝えるのはデザイナーの役割でもあるなと。表面を作るだけがデザインではなくて、背景やビジョンをデザインするまでがデザインの領域であるということを一人でも多くの人に周知していく必要があると感じました。

 

サービスデザインだったり、人の心理に働きかけるデザインだったり。単なるものづくりやビジュアルデザインではないからこそ、社会が新しい方向を向いていくのかなと。実社会に出たときもここでの学びが生かせるようにしたいですね。


滝本:ふと思いついたアイデアでは解決できない課題が多く、そこに至るまでの背景、本質を理解することがとても重要だと気づきました。同時に、自分のリサーチ力不足にもぶつかって。将来デザイナーをやるのか、ほかの仕事につくかわからないけど、取り組み方を変えないと活躍できないだろうと思い知らされました。いい意味で我流を見直し、自分に足りなかったものを摂取できている。将来どんな道に進んでも、大事なことだなと思っています。


デザインの楽しさを再確認。これからに生かせること


――初めてのことばかりで大変なことも多いなか、楽しいと感じることはありますか?


滝本陸人さん


滝本:うまくいかないもどかしさが続いて、ようやく手を動かしてビジュアルをつくっているけど、改めてつくるのって楽しいなと思っています。しっかりリサーチをした上でつくるということを理解して、これまでと違う心持ちでデザインと向き合うことで、最初にデザインをはじめたときと同じ高揚を感じています。


今井:経営者チームとやりとりを重ねて、一緒に形にできたときはやりがいを感じますし、デザイナーチームのみんなと作業をすることは少ないけど、同じ境遇だろうと考えると心強いです。同じ土俵に立つデザイナーの仲間ができたことは、私の中では支えになっています。


谷中晴香さん


谷中:私も、デザイナーであり仲間を得られたのは、心の支えになっています。自分がデザインしたものに対して、同じ目線でいろいろ言い合えることは新鮮で楽しいです。


滝本:僕は2人から学ぶことが多いですね。自分にはなにが足りないか考える機会にもなっています。


谷中:それぞれが違うタイプだからこそ、お互いのいいところを見て盗みあえるというか、参考にできるところはありますね。集まったときには情報共有ができるし、別のチームだけど似たところで詰まっていたり。組織の関係性もいいと感じます。


谷中さん、今井さん、滝本さん


――最後に、ここでの学びを今後どう繋げていきたいと考えていますか?


滝本:将来を決めかねてはいますが、どんな仕事についても、課題をみつけて本質を理解して、形にならないものをデザインしていくことは同じだなと。自分の考えをどんどんブラッシュアップしていくスキルは必ずどこかで生きてくると思います。


今井:日本を編集的な視点で見るのもそうですし、将来どこかの街のコミュニティに入ったときも、住人の思いにいかに寄り添うアウトプットができるか、その術を空間設計やビジュアル、言葉のデザインを通して身につけることができていると感じます。将来は地域デザインに携わりたいので、この力を生かして、地域に合ったクリエイティブをつくれるクリエイターになりたいと思います。


谷中:卒業後は、医師兼デザイナーとして活動したいと思います。難しい内容をわかりやすくする平面デザインから、空間デザイン、さらに患者さんが着る洋服や病院の食事まで、広義のデザインでトータル的に患者さんを元気にしたい。どこまでデザインで介入できるかわからないけど、いろいろな方法を模索していきたいと思っています。目の前の病気だけでなく、患者さんの豊かな人生までもデザインできるような医者になりたいと思います。


谷中さん、今井さん、滝本さん、アナザー・ジャパン店内にて


地域で活躍するデザイナー・坂本大祐さんより若者にメッセージ



坂本大祐さん合同会社オフィスキャンプ代表 坂本大祐(さかもとだいすけ)


「アナザー・ジャパン」のクリエイティブに携わるプロのデザイナーで、日本各地の課題をデザインの力で解決している坂本大祐さん。そんな坂本さんから、デザインに関心のある学生に向けたメッセージをいただきました。


若い世代のみなさんは、新しいことだけでなく、我々が古いと思っていたことにも新しさを見つけ、おもしろがってくれていると感じます。そして我々よりも、もっとウェットに世の中や地域と付き合っているなという印象です。デジタルネイティブであることにも、ものすごい可能性を感じています。

さまざまな地域で活動していて実感しますが、ネットやテレビで見聞きするほど地域はパラダイスではないし、すごく閉鎖的で後進的な場所でもありません。それは都市でも同じ。魅力も課題も地域によってさまざまです。 だから、もし将来地域で活躍するデザイナーになりたいと考えている方は、ぜひ実際に足を運んで、自分の目で見て、話を聞いて、そこで得られた情報から判断してほしいと思います。興味があるなら、リアルな自分だけの体験をなるべく増やして、活躍していってもらいたいですね。


文:高野瞳 撮影:井手勇貴 取材・編集:萩原あとり(JDN)

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 結 果 発 表 個性豊かでフレッシュな魅力にあふれた作品の数々をご応募いただき、誠にありがとうございました。編集部の審査を経て、見事入選を果たした作品を発表いたします。最優秀賞「感性を刺激する強いノック」中西 達海神奈川大学附属高等学校 2年作品コンセプト“KNOCK”と聞くとドアを叩く様子を思い浮かべるが、それだけではない。私たちは五感で何か強い刺激を感じ取った時、今までにない新しい発想を生み出す。それらの外部からの刺激は、今までの常識や固定概念を打ち砕く自分自身への「ノック」である。この作品ではデザイン性も意識し、リアリティを追求するのではなく平面的な表現になるように作成した。今までの常識を強いノックで打ち砕く迫力を表現した。審査員による講評高校生の若さからくる力強さ、将来に向かって挑戦する情熱や意思が伝わってくる作品。作品のコンセプトが企画の趣旨と合っており、トビラをノックするという難しい表現を逃げずに描けていると思います。「自分がノックする」だけでなく、「外部からの刺激が自分をノックしてくる」という発想は、これからさまざまなものに触れ、感受性豊かに学んでほしいという編集部の思いとも合致しています。また、応募作品は筆や絵画などの具体的な表現が多かった中、本作は「五感」を意識して抽象的に表現されていて、「五感」や「目に見えないもの」をデザインしていくことが増えているデザイン業界にマッチしていると思い、受賞作品に選びました。審査員特別賞「輝きの中へ」山口 紗瑛野沢北高等学校 1年作品コンセプト新しいことや楽しさで満ちた、鮮やかに輝いているデザインの世界に胸を躍らせる気持ちをイメージしました。審査員による講評高校生らしいフレッシュさが魅力の作品です。女の子の瞳や表情からは不安とワクワクが入り混じった様子が伝わり、これから進路を考えようとする高校生のみなさんの背中をやさしく押してくれるのではないかと思います。また、カラフルな色づかいからは、「多様さ」や「未来の可能性」といったイメージが連想され、デザインノトビラが発信するデザイン・クリエイティブ領域の学びのイメージとも合致しており、掲載した際のサイトとの相性の良さも評価につながりました。審査にあたり、受賞作品の「感性を刺激する強いノック」との接戦を繰り広げた本作に、特別に賞を授与いたします。募集要項(募集は締め切りました)出題テーマデザインノトビラ新企画「KNOCK」のメイングラフィック募集この企画の趣旨「高校生のみなさんに、デザインの世界へのトビラをノックしてもらう」という内容に沿った、自由な発想の作品を募集します!「わくわくする気持ち」「将来に向かって挑戦する情熱」「道が開けていく様子」など、前向きで明るいイメージを求めます。賞最優秀賞(1点)Amazonギフトカード3万円分、作品を企画のメインページグラフィックに採用※該当なし(採用作品なし)、あるいは、内容が変更となる場合があります応募締切2024年8月30日(金)15:00までにフォームから投稿※終了しました参加資格下記いずれかに該当する方高校または高等専門学校に在籍している方高校卒業あるいは同等の資格をお持ちで、美大やクリエイティブ系の大学・専門学校等へ進学を希望している、20歳以下の方審査員デザインノトビラ&JDN 編集部美術・デザイン系学校出身のWebエディター4名が担当!日々、日本中のデザインに触れているプロの編集者たちが、あなたの作品を審査します。
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