東京藝術大学 美術学部 建築科 在籍
K・T さん
【受験した科目】
一般選抜(実技:空間構成、総合表現 学科:大学入学共通テスト)
【予備校に通った期間】
高校2年生の夏から1年半
「進路を考えはじめたのは高校に入ってから。その後、東京藝術大学を受験することを決めたタイミングで、美術予備校を探し始めました」
Q.どのように美術予備校を選びましたか?また、選ぶ際に何を重視しましたか?
まず、短期間で予備校の様子を知ることができる春季講習をいくつかの予備校で受講しました。そのなかで、自分の制作スタイルに合うところを探しました。
選ぶ際に重視したのは、通いやすさや授業の雰囲気です。
Q.美術予備校ではどのようなことを学びましたか?
通っていたコースは、建築科の土日コースでした。基礎課題から過去問まで、受験の内容に関わらずさまざまな課題に取り組み、課題に対する自分なりの一貫した考えを表現することを学びました。
特に入試直前の期間は、限られた試験時間のなかで自分が提案する案を他の人にどれだけわかりやすく、説得力をもって伝えられるかを考えていましたね。
Q.美術予備校に通うメリットにはどのようなことがあると思いますか?
予備校は同じ目標を持った仲間がたくさん集まる場所で、互いに意見を伝え合ったり教えてもらったりするなど、想像以上にたくさんの発見があります。
実際に建築科では休み時間のたびに他の人の提案を聞いたり、自分の考えていることを聞いてもらったりして、講評会までの間にどんどん案をブラッシュアップしていくことができました。
また、予備校に通ういちばんのメリットは現役で大学に通っている先輩方が講師を務めていることだと思います。大学での様子を聞いたり、悩みの相談をしたり、受験生時代にどのような対策をしていたのかを聞くこともできます。
時々、講師の方が入試のデモンストレーションをしてくださったのも予備校に通っているからこそのことで、私にとってはとても良い経験でした。
予備校に通い始めると、一緒に頑張ることのできるたくさんの仲間がいて、刺激をたくさん受けると思います。その中で他の人と比べて自分の作品が劣ってるように見えたとしても、自分にしかできない表現ができていたら、自信を持って制作を進めていってほしいです。
その独自の表現を見つけ出すのが苦しい時もきっとあると思います。そういう時はあまり考え込みすぎず、好きなことをする時間をとって、いいバランスで受験期間を過ごしてほしいと思います。
多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科 在籍
渡辺蓮 さん
【受験した科目】
一般方式(実技:鉛筆デッサン、色彩構成 学科:大学独自試験)
【予備校に通った期間】
高校卒業後の春~1年間
「昔からデザイン、美術に興味があり、高校在学中から美大を目指すことを視野に入れていました。でも、自分の実力で目指しても大丈夫なのだろうか、もし入れたとしても将来美術系の仕事に就けるのだろうかという不安がありました」
Q.どのように美術予備校を選びましたか?また、選ぶ際に何を重視しましたか?
私が予備校に通い始めたのは高校を卒業してからです。将来への不安などもあり現役では美大を受験せず、浪人して予備校に通い、美大を目指しました。
予備校選びについては、進学実績を見てお茶の水美術学院を選びました。本当はさまざまな予備校の体験授業を受けて学校の雰囲気を見た方が良かったかもしれませんが……。今ではお茶美を選んで本当に良かったと思っています。
Q.美術予備校ではどのようなことを学びましたか?
私大デザイン平面系コースの昼間部に通っていました。同コースには、入試で出題されるデッサン、色彩構成を中心に、立体造形、ロゴデザインなどの授業もあります。とにかく多くの作品を制作し、自分の美意識や思考の傾向を分析していくことで、自分の力を最大限発揮する術を学びました。
特に自分の実力が伸びたと感じたのは夏期講習です。お茶美の夏期講習には、ほかの予備校や藝大コースから来た人を含めて多くの実力ある受験生が集まっていました。その中で自分の絵を並べ、客観視できたことで、周囲との差のつけ方、訴求力の高め方などを整理できたように思います。
また、私が未経験から1年で美大に合格できたのは、お茶美の先生方が長所を発見してくれたことも大きいと感じています。当初は自分の文字に対する嗅覚や、モチーフを細部まで観察する力に無自覚でした。先生方がそこを褒めてくださったおかげで、その力を活かせる構成で本番も戦えたように思います。
Q.どのような人が美術予備校の受講に向いていると思いますか?また、通うメリットにはどのようなことがあると思いますか?
美術予備校の受講に向いているのは、5時間、10時間でも1枚の絵と向き合い続けられる人だと思います。絵を描いている時は常に思考を目の前の絵に注ぐ必要があるため、かなり大変です。もし、1度でも長時間集中して作品を描きあげた経験があるのなら、自信を持って美術予備校を受講するべきだと思います。
ただ、予備校に通わず家や高校で長時間続けて制作をするには、特殊な環境が必要です。独学では、長時間絵と向き合う能力があるのか確信を持つことは難しいと思います。
少しでも美術に興味がある方は、予備校で、誰にも邪魔されない環境で絵を描いてみてください。そこで自分にその力があるのか試してみるといいのではないでしょうか。
制作には、描き出しから完成まで考え続ける体力が必要なので、健康が何より大切です。たくさん食べて、たくさん寝て、たくさん予備校に行ってください。それから、他人の講評をよく聞くこと、本を読むことも役に立つと思います。
他人の講評を聞くことは、自分の美意識の分析に役立ちます。自分がいいなと思った絵に対して、あの先生はどうコメントするのだろうかとか、この絵は先生からは褒められているけど自分はここが気に入らないといったことなど、自分が気にしているところ、あまり気にしていなかったところがよく分かります。
また、自分にとって想像できる世界が広ければ広いほど美術で表現したいことも増えて楽しくなるはず。本を読むことで、読解力と想像力を補強できると思うので、習慣的に読んでみるといいのではないでしょうか。
東京・御茶の水で60年以上続く芸大・美大受験予備校。小学生~高卒生の生徒や社会人経験のある方が、基礎から受験対策まで、個々のレベルに合った指導を受けることができる。2024年は東京藝術大学 デザイン科の合格者数が全国1位となり、18年連続1位を達成。デザイン系学科の高い進学実績を誇る。
■御茶の水美術学院公式サイト https://gakuin.ochabi.ac.jp/