約250組の多様なクリエイターが集結し、生活雑貨や食品、ファッションアイテム、アート作品などの展示販売を行うイベント「NEW ENERGY TOKYO」。ビジネスパーソンや一般の来場者との交流を通し、新たな価値を創造する場として開催されています。2024年は、エシカル、ファッション、ライフスタイル、産学官連携のエリアに分かれ、4日間にわたりショッピングや商談が行われました。
本記事では、クリエイティブ系の学校5校が参加し、産学官連携事例が集まった「FUTURE FRIENDS」エリアをピックアップ。学校や学生による展示の様子をレポートします!
まず紹介するのは、女子美術大学 短期大学部による出展です。学生有志が立ち上げた「自然」がテーマのバッグブランド「ReBloom」より、自然の豊かな美しさを表現したアイテムが並びます。
「ReBloom」の特徴は、乾燥機アンダーネットやハギレ、レーヨン刺繍糸といった、企業の製造過程で発生する廃材を使用していること。普段から環境問題に関心の高い学生が集まり、ブランドコンセプトから考えています。
バッグの材料となる廃材を提供するのは、のぼり旗などの布への印刷会社である株式会社 田原屋。「布印刷+エコ+コミュニケーション」をコンセプトとした企業内プロジェクト「すってこ」と女子美術大学 短期大学部とのコラボレーションプロジェクトです。
続いて紹介する文化服装学院の展示は、同校の選択科目「ファッションプランニング演習」のなかで生まれたファッションブランド「HiKASO」です。デザイナーはアパレルデザイン科3年生の辻野伽凜さんで、コンセプトは、身につけることで非日常を感じることのできる変身アイテムのようなブランド。作品は雑誌や広告などで使用されているほか、一般の消費者向けに受注販売も行われています。
「ファッションプランニング演習」は、学生独自のファッションブランドのローンチを目指したブランディングや商品企画、制作などを経験することができる授業。経験豊富な先生のもと、リアルなビジネスの場を想定した学びが特徴です。
最後に紹介するのは、御茶の水美術専門学校が化学メーカーのDIC株式会社と取り組む共同プロジェクト「Crystallization of connection」の展示です。
同プロジェクトでは、食品パッケージやペットボトルに使われるポリプロピレン(PP)をリサイクルしたカラフルな指輪を制作しています。DIC株式会社が持つ加工技術を活かした、地球にやさしいアイテムです。会場には、来場者が実際に指輪を制作できるコーナーがあり、ペレットが指輪に生まれ変わる過程を体験することができました。
同校はSDGsの実現を積極的に推進する「国連グローバル・コンパクト」会員校でもあります。同プロジェクトの他にも、必修の産学官連携授業を年に4回以上実施するなど、学生が社会課題に触れる機会を多く設けています。
「FUTURE FRIENDS」エリアの中央には、普段は交わる機会が少ない学生や社会人を含め、クリエイションに興味のある人ならだれでも交流できる「カタリバ」が開設されていました。
ほかにも、学生を対象とした日本最大級のファッションデザインコンテスト「YKKファスニングアワード」やブックオフが主催する古着のアップサイクルコンテスト「Reclothes Cup」の受賞作品展示が行われるなど、会場のいたるところで企業の担当者や学校関係者、そして学生が情報発信・交換を行い、にぎわいを見せていた「NEW ENERGY TOKYO」の現場。
ここからどんな新しいプロジェクトや繋がりが生み出されていくのか、出展した学生たちのさらなる活躍が期待されます!