• TOP
  • 読みもの
  • 【トビラの先輩インタビュー】作家活動の傍ら追いかけ続けたデザイナーの夢

【トビラの先輩インタビュー】作家活動の傍ら追いかけ続けたデザイナーの夢

Vol.1 グラフィックデザイナー 玉野ハヅキさん【後編】
item.sCaption

さまざまなものと関わり、「好き」を突き詰めた結果が今に


――少し遡りますが、専門学校時代はどんな学生でしたか?


高校卒業時は、将来グラフィックデザインをやるか映像をやるかでブレていた時期でした。

それで、1年の前期に全学科の領域に触れた上で専門科目を選べるアサビに進学したのですが、今とはまた違った、カッチリとしたデザインを組む真面目な学生でした。「かわいい」とかポップな作風からは縁遠かったですね。


カラフルでポップなロゴ作品の数々玉野さんが手がけた作品「Feelin!!!! / fun4re」MV内グラフィックデザイン

 

 

――そうだったのですね。映像と迷われて、やっぱりグラフィックデザインの道に進まれたのはなぜでしょうか。


絵コンテからつくって一つの作品を撮るのも楽しいのですが、やっぱりグラフィックデザインの方が好きだし、やっていて「楽しい」のパーセンテージが上回ると改めて気付いたんです。だから映像は見て楽しめればいいと思って、グラフィックデザインに専攻を決めました。


――そんな学生時代の学びの中で、今に活きているのはどんなことですか?


アサビで有名な書体の先生から文字組や誌面に文字をレイアウトしていく「組版」をしっかり学べたことですね。

CGをつくる際や文字を流し込むときに細かい組版が必要になるので、基礎から応用まで、独学ではなくきちんと学べたことが今に活きていると感じます。

これは学びとは少し違いますが、1年の前期に専攻が定まらない状態でみんなが各分野を学ぶので、さまざまなフィールドの友人ができたことも財産です。知らない分野のことが知れてとても勉強になりましたし、今仕事をする中でもその繋がりが役立っています。


――グラフィックデザイナーを目指す上で、高校時代にやっておくといいと思う玉野さんなりのアドバイスがあればお願いします。


社会人になるといろいろとお金もかかり、自由な時間も取りづらくなります。だからこそ映画や美術館など、学割を使って安く行ける場所にどんどん行って、引き出しを増やしてほしいですね。

今は若いうちからSNSでたくさんのフォロワーを抱えてイラストやデザインを発信している方もたくさんいますが、焦る必要はなく、いろいろインプットする中で自分の好きな分野やコンテンツを深掘りしていくといいと思います。


 インタビューに答える玉野さん


私は図書館も学校から市の施設まで活用しまくっていました。美術系の本に限らず装丁がかわいいと思ったら借りて、奥付のデザイナーさんの名前を調べたりしていました。

単純に図書館をうろうろして、いろいろなジャンルの本を見て回るのも好きです。お金もかからないので、有効活用すると楽しいと思います!


――最後に、玉野さんが目指すクリエイター像を教えてください。


私自身、もともとグラフィックデザインやデザイナーに詳しいタイプではありませんでした。単純に自分の感性にふれるものを集めて、体や手を動かしていた結果今があるので、これからも自分の「好き」ややりたいことを信じて仕事をしていきたいと思っています。

もちろん知識があるに越したことはありませんが、グラフィックデザイナーになりたいからといって、優秀なデザインを集めた専門書ばかり見ていてももったいないですよね。幅広いところからデザインの要素を抽出して吸収する方が楽しいと私は思えたので、これからもそんなふうに自分の知見を広げていきたいです。


文:開洋美 撮影:小野奈那子 取材・編集:萩原あとり(JDN)

関連記事

読みもの

PR
ニュース

学生限定!「長谷工住まいのデザインコンペティション」が開催。高校生の応募歓迎

マンション開発を中心とした大手建設会社・デベロッパーの株式会社長谷工コーポレーションが主催する、「第18回 長谷工住まいのデザインコンペティション」。応募対象は高校生・大学生をはじめとした学生で、「集合住宅の新しいあらわれ」をテーマに、2024年11月5日まで建築プランを募集します。都市を構成する重要な要素である、建築の外観(あらわれ)を改めて問う今回のコンペ。審査員には「Dior Ginza」などで有名な建築家の乾久美子さん、同じく建築家の藤本壮介さん、増田信吾さんなど、第一線で活躍する豪華メンバーが並びます。さらにゲスト審査員として、コミュニティやケアの領域で制作、実践、研究、提案を行う文化活動家・アーティストのアサダワタルさんも参加。審査は、1次のアイデアコンペで選出された上位4組が2次に進み、模型の提出・プレゼンテーションを行う2段階方式。最優秀賞1点には100万円、優秀賞3点には各50万円、佳作10点には各10万円が授与されます。9月30日までに応募登録を行うと、昨年の審査の様子を収めた動画を視聴できる特典も。ぜひ、新しい都市の景観を生み出すような集合住宅の「あらわれ」を提案してみてください。
2024年8月1日(木)

KNOCK vol.1 -【結果発表】 デザインノトビラ「KNOCK」メイングラフィック募集

 結 果 発 表 個性豊かでフレッシュな魅力にあふれた作品の数々をご応募いただき、誠にありがとうございました。編集部の審査を経て、見事入選を果たした作品を発表いたします。最優秀賞「感性を刺激する強いノック」中西 達海神奈川大学附属高等学校 2年作品コンセプト“KNOCK”と聞くとドアを叩く様子を思い浮かべるが、それだけではない。私たちは五感で何か強い刺激を感じ取った時、今までにない新しい発想を生み出す。それらの外部からの刺激は、今までの常識や固定概念を打ち砕く自分自身への「ノック」である。この作品ではデザイン性も意識し、リアリティを追求するのではなく平面的な表現になるように作成した。今までの常識を強いノックで打ち砕く迫力を表現した。審査員による講評高校生の若さからくる力強さ、将来に向かって挑戦する情熱や意思が伝わってくる作品。作品のコンセプトが企画の趣旨と合っており、トビラをノックするという難しい表現を逃げずに描けていると思います。「自分がノックする」だけでなく、「外部からの刺激が自分をノックしてくる」という発想は、これからさまざまなものに触れ、感受性豊かに学んでほしいという編集部の思いとも合致しています。また、応募作品は筆や絵画などの具体的な表現が多かった中、本作は「五感」を意識して抽象的に表現されていて、「五感」や「目に見えないもの」をデザインしていくことが増えているデザイン業界にマッチしていると思い、受賞作品に選びました。審査員特別賞「輝きの中へ」山口 紗瑛野沢北高等学校 1年作品コンセプト新しいことや楽しさで満ちた、鮮やかに輝いているデザインの世界に胸を躍らせる気持ちをイメージしました。審査員による講評高校生らしいフレッシュさが魅力の作品です。女の子の瞳や表情からは不安とワクワクが入り混じった様子が伝わり、これから進路を考えようとする高校生のみなさんの背中をやさしく押してくれるのではないかと思います。また、カラフルな色づかいからは、「多様さ」や「未来の可能性」といったイメージが連想され、デザインノトビラが発信するデザイン・クリエイティブ領域の学びのイメージとも合致しており、掲載した際のサイトとの相性の良さも評価につながりました。審査にあたり、受賞作品の「感性を刺激する強いノック」との接戦を繰り広げた本作に、特別に賞を授与いたします。募集要項(募集は締め切りました)出題テーマデザインノトビラ新企画「KNOCK」のメイングラフィック募集この企画の趣旨「高校生のみなさんに、デザインの世界へのトビラをノックしてもらう」という内容に沿った、自由な発想の作品を募集します!「わくわくする気持ち」「将来に向かって挑戦する情熱」「道が開けていく様子」など、前向きで明るいイメージを求めます。賞最優秀賞(1点)Amazonギフトカード3万円分、作品を企画のメインページグラフィックに採用※該当なし(採用作品なし)、あるいは、内容が変更となる場合があります応募締切2024年8月30日(金)15:00までにフォームから投稿※終了しました参加資格下記いずれかに該当する方高校または高等専門学校に在籍している方高校卒業あるいは同等の資格をお持ちで、美大やクリエイティブ系の大学・専門学校等へ進学を希望している、20歳以下の方審査員デザインノトビラ&JDN 編集部美術・デザイン系学校出身のWebエディター4名が担当!日々、日本中のデザインに触れているプロの編集者たちが、あなたの作品を審査します。
2024年7月16日(火)

コンテスト型新企画「KNOCK」スタート!企業が高校生の作品を募集

高校生向けコンテスト型の新企画「KNOCK」とは?「絵を描くことが好き」「アイデアを考えることが好き」「ものづくりが好き」というデザイナー・クリエイターの卵のみなさん!クリエイティブを学び、将来を考える人のための情報サイト「デザインノトビラ」は、そんなみなさんから作品・アイデアを大募集する新企画、「KNOCK」をスタートします。「KNOCK」では今後さまざま企業が不定期にテーマを出題。高校生のみなさんだからこそ生み出せる、フレッシュで自由なアイデアや作品を募ります! 将来を考えるきっかけとして、作品発表の場として、まずは「KNOCK」でデザインのトビラを叩いてみませんか?高校生が「KNOCK」に応募すると、いいことが!あなたの作品が社会に出るチャンス!企業・クリエイターに作品を審査してもらえる!素敵な賞金や賞品がもらえる!応募のしかた募集中のテーマ一覧から挑戦したいテーマを選ぼう!締切までに作品をつくろう!作品応募フォームへの投稿で、応募完了!決まった期日まで、ドキドキしながら結果を待とう……!募集中のテーマ(新着順)ただいま募集は行っておりません。新しいテーマの発表をお楽しみに!これまでに募集したテーマデザインノトビラ(株式会社 JDN)「KNOCK」のメイングラフィック募集(8月30日15:00締切)始まったばかりの新企画「KNOCK」のメイングラフィックを大募集!サイト内で注目を集める、すてきなグラフィック作品を募集しました。最優秀賞(1点) Amazonギフトカード3万円分、作品を企画のメインページグラフィックに採用このテーマの募集要項を見る今後も続々と、このページでテーマを出題していきます!
2024年7月16日(火)
ニュース

大賞は穴吹デザイン専門学校2年生!「日本パッケージデザイン学生賞2023」の入賞作品が決定

公益社団法人日本パッケージデザイン協会(JPDA)が主催する、学生向けのアワード「日本パッケージデザイン学生賞2023」の入賞作品が決定。大賞に選ばれたのは、穴吹デザイン専門学校2年生の綾野裕次郎さんの作品「ボーッと⼊浴剤」です。パッケージデザインの新しい魅力と価値を学生と共に発掘・伝播していくことを目的に開催される「日本パッケージデザイン学生賞」。第2回となる今回は「ひらく」をテーマに、オリジナリティのあるパッケージデザインのアイデアが3カ月間募集され、全国の大学・専門学校から513点の応募がありました。受賞作品のべ29点のうち、大賞に選ばれた作品「ボーッと⼊浴剤」は、開封後は船となる入浴剤のパッケージ提案です。ゴミになる入浴剤の袋を、楽しいものに変えたいと考えた作品です。審査委員からは、「不要さトップクラスの入浴剤のパッケージを一気にプラスにする提案」「捨てることのできるおもちゃという視点でもとても実用的」「夢や遊び心を表現しながらも、社会課題に答えているスマートなデザイン」などの評価を得ましたなお、今回の入賞作品は、2025年5月刊行予定の『年鑑日本のパッケージデザイン』に収録されます。
2023年12月11日(月)