本作は針金で制作された様々な生物の骨格と、それを駆動させる機械を中心に構成されたインスタレーションである。
様々な素材から構築された舞台の中に配置された骨格は、ダンスのような身振りや楽器を模したオブジェクトを演奏するような動作など様々な様相で駆動している。
奥部に木製の棺が安置されたこの空間は作者が想定する作者自身の葬儀の場であり、棺の中の仮想遺体に向けて骨格を用いた魂呼び(たまよび)の儀式が行われている。魂呼びとは日本の民間信仰における死者の反魂儀式であり、本作では山岳信仰に基づく山中他界観をもとに作者の故郷に向けて儀式が行われている。