インタビュー調査から分析した廃墟の性質を、デザインへ応用する試み。その可能性を3つのケーススタディを通して検証・考察した。
インタビューを通じて、人は廃墟を平常とかけ離れた状態や形式、ルールのかさなりとして認知している傾向を明らかにした。それらから与えられる、違和感やおかしさに反応し、特異な印象や想像を引き起こす。その現象をデザインへ応用するために、これまで否定や排除の対象であった要素(倒錯性)を再解釈し、デザインへ取り入れることを行った。
倒錯性をデザインへ取り入れることで、機能主義・合理主義的な社会では零れ落ちていくようなものを探し、見つけ、価値化できる可能性がある。成熟化した社会でのまなざしとして、環境デザイン以外にも広く応用できるのではないだろうか。