風がゆっくりと流れ、香りが漂ってくるような自然溢れる複合空間の提案。
マスク生活によって香りを感じにくくなった状況に違和感を覚えた。閉塞感のある現代には、身体を解放し五感全てを使ったリアルな体験ができる日常空間が必要なのではないかと制作を始めた。原点は、風が吹くことによって形成される砂浜の波打つ印象的な光景。風は香りも運んでくる。香りのカタチを風から砂のカタチになぞらえ、建築・インテリアデザインに落とし込んだ。
空間構成としては、曲線で形成された3つのテラス、カフェ、ストアを設置。それぞれの場所で違った香りの楽しみ方ができるように「森・香り・風」という香りのワードをテーマに挙げた。避暑地の森をイメージさせるようなグリーンノート・長い間日照りが続いた大地が放つ土の香り・焚き火で出るパリパリ感のあるウッディノートのイメージが自然に漂い、心が豊かになれる場。カフェでは空間内の香りを味覚に変換しアレンジした料理も楽しめる。ストアでルームフレグランスとしても香りは購入でき、体験した記憶を持ち帰ることもできる。
マスク生活によって失われた嗅覚の記憶や感情を呼び覚まし、再び五感に響く豊かな日常と笑顔を!