本作は、琉球王国時代より祭祀道具として使用されていた食籠を、現代の生活空間にも合うようにアレンジを加え、新たな琉球漆芸の可能性を探った作品です。
木地には沖縄特産のデイゴ材を使い、自身で挽物を行いました。螺鈿技法においては、使用したすべての夜光貝を、原貝から煮貝と摺貝に加工し、それぞれの特徴を活かしながら、日の入前の海の様子とゆったりと泳ぐ魚たちを表現しています。食籠の甲(蓋表)より、朱の暈塗りで夕日に染まる海面を表し、徐々に側面へ向けて陽が差し込み、魚たちを照らし輝いている情景を描いています。
2022年:第33回 卒業・修了作品展 沖縄美ら島財団理事長賞
2024年:第35回 卒業・修了作品展 沖縄美ら島財団理事長賞および買上作品