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インタビュー
武蔵野美術大学

思いついたままの発想を図面に-武蔵野美術大学 建築学科に欠かせないツール(1)

姉妹サイトのデザイン情報サイト「JDN」で連載している「Vectorworks活用事例」。同シリーズでは、設計に携わる方々にとって空間をつくる上で欠かせないツール「Vectorworks」を、どのように利用しているのかを紹介してきました。今回は、建築設計やデザインを学ぶ学生と、その教育に携わる教職員や教育機関向けに提供している「教育支援ライセンス」をピックアップ。同ライセンスを活用する、武蔵野美術大学 造形学部 建築学科にインタビューをおこないました。お話をうかがったのは、建築学科教授の布施茂先生と、大学院修士2年生の飯島裕也さん。個人宅から公共建築まで多数の作品を手がけ、現在は、大学創設100周年プロジェクトにも携わる布施先生と、修士課程に在籍しながら実践的な学びを深める飯島さんに、Vectorworksの使い方をうかがいました。建築家を養成してきた、美術大学における建築学科インタビュー取材をおこなった武蔵野美術大学 鷹の台キャンパスは、東京の郊外、小平市に位置する。同大学の名誉教授で、文化勲章も受賞した建築家・芦原義信先生によるマスタープランのもとに設計・建設、1961年に開設された。武蔵野美術大学 鷹の台キャンパスおよそ11万m2もの自然豊かな敷地内には、本館(現:1号館)や中央広場、デザイン棟(現:7号館)など、国際的な学術組織であるDOCOMOMO Japanの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定された建物が点在。ここで絵画、彫刻、デザイン、建築、映像など幅広い学科の学生たちが学んでいる。まずは布施先生に、建築学科での学びやカリキュラムの特徴についてうかがった。布施茂先生(以下、布施):大学が開設されて間もない1964年に、建築学科が創設されました。その当時から、芦原先生をはじめとする専任教員の多くが研究者ではなく実務者である点は、本学科の特徴の1つと言えるでしょう。現在、建築学科で教鞭をとっているのも、現場の第一線で活躍されている方ばかりです。構造デザインや建築デザイン、設備設計、まちづくり、ランドスケープデザイン、そして、建築美術や空間表現のアーティストもいます。布施茂 建築家・一級建築士、fuse-atelier代表。武蔵野美術大学教授、学長特命補佐・キャンパス設計室長、専門は建築設計。おもな作品に、群馬県立館林美術館、全労済情報センター、東京都立大学(以上第一工房)、VENTINOVE、House in JYOSUI-SHINMACHI、House in TSUTSUMINO、House in ABIKOなど布施:学部生の定員は1学年72名です。入学時に、卒業後の進路についてのアンケートを取っており、建築家志望が7割、そのうち半数が住宅を中心に設計をする建築家を目指していますね。これほどまで大人数の学生が設計をやりたい、意匠をやりたい、と集まっている大学の建築学科はほかにないのではと思っています。実際、卒業後、大手設計事務所に就職した学生の実績もあります。授業内容としては、設計・構造をベースにランドスケープ・インテリアの科目、またアートの実習科目もあり、幅広い知識の習得ができます。学生は入学して2カ月後には、アイデアを練りながらの手描きスケッチや、CADの実習など、設計教育全般の授業に取り組みます。総合大学の工学部などと比較すると、かなり早いタイミングかもしれません。課題数は他校と比べて多いと思いますが、小さい空間から大きい建築まで、バリエーションやスケールを幅広く経験できます。校内に展示された1年次の模型 布施:1年次の基礎課程である「建築設計基礎」での製図や、「図学」などの授業でVectorworksを使用しています。CADの授業ではVectorworksのほかに、SketchUpやRhinocerosの使い方も学びます。また、「建築設計表現」の授業では、プレゼンテーションやアイデアスケッチなどでも使っていますね。学生たちにVectorworksの使い方を初めて教えるときは、クラスとレイヤの設定など、基本的な操作方法はもちろんレクチャーしますが、あとは自由に、それぞれの創造性を発揮しながら使ってほしいと指導しています。CADを学ぶ授業風景 布施先生自身も、40年以上になる建築家のキャリアを通じて、Vectorworksの前身であるMiniCad時代からツールを愛用し続けてきた建築家だ。2023年には、授業の教科書としても用いることができるようにと、書籍『布施茂建築作品設計図面集』を刊行。豊富な写真図版と共に、RC造11件、S/W造16件もの平面詳細図や、断面詳細図、細かな寸法・仕様に関する詳細な情報が網羅された内容となっている。これらの編集作業にも、Vectorworksが大いに活躍したという。布施:最終的な印刷用のデータはInDesignで完成させましたが、その前段階のレイアウトはすべてVectorworksで作成しています。Vectorworks上でこれまで撮影してきた膨大な写真データや図面を、建築家目線で見せたい部分がしっかり伝わる図面集となるよう、レイアウトにこだわりました。建築学科の大関助手と飯島くんには編集作業の段階でデータの整理を担当してもらい、とても助かりました。『布施茂建築作品設計図面集』の中面 布施:Vectorworksは設計図面だけではなく、プレゼンテーションにも、書籍の編集準備にも、本当にいろんな用途で使い続けています。とても重宝していますし、私の仕事においてなくてはならないツールです。CADの枠を超える、Vectorworksの多様性一方、飯島さんは、建築学部への入学後に初めてVectorworksを使いはじめたそうだ。折しも入学した年はコロナ禍の真っ最中。当時は地元・岡山県の自宅から、リモートで大学の授業を受けていたという。飯島裕也さん(以下、飯島):授業がはじまる前にVectorworksを使ってみたくなったので、最初は自分で市販の教則本を購入し、3Dのレンダリングまでひと通り自習してから授業を受けました。飯島裕也 武蔵野美術大学造形学部建築学科を卒業後、同大学院の修士課程デザイン専攻建築コースに在籍。2023年度卒業制作「BE A GOOD SCENERY(S)」で優秀賞、愛知県蒲郡市「がまごおり公共建築学生チャレンジコンペ2023」では「ふくらむまちの待合所」が佳作賞を受賞 飯島:僕は幼い頃からものづくりが好きで、小学生のときはドラえもんの断面図をスケッチブックに描くくらい、細かな絵を好んでいました。また、母も武蔵野美術大学を卒業してインテリアの仕事に就いていたので、自宅に置かれていた仕上げサンプル本や、たくさんの図面などを日常的に眺めていたからか、図面を描くのも見るのも好きでした。中学生や高校生の頃には、建物の模型をつくったり、Adobe Illustratorなどのツールを触ったりもしていました。浦上駅(長崎市)の設計提案をおこなった飯島さんの卒業制作作品「BE A GOOD SCENERY(S)」の平面図 学部生の頃から授業はもちろん、プラスアルファの学びとして、布施先生のもとでさまざまな実務に携わってきた飯島さん。作品集の編集作業などを通して、Vectorworksを使えば使うほど、その汎用性の高さに驚いたそうだ。飯島:授業の課題はゴールが決まっていますが、実務になると無限に追求できますよね。学部生のうちからそれを経験できる環境があったことは、とてもありがたかったです。布施:やはり建築はリアルなので、実際に現場に出て確認したり体験したりする方が早いんです。ですので、学生たちをプロジェクトの現場に連れていくこともあります。私自身、武蔵美や東京工業大学(現:東京科学大学)の恩師である、建築家の坂本一成先生のもとで学んでいた頃、研究室の設計活動から学ぶことの方が大きいと実感した経験があったので、現在もできる限りそうしています。飯島:Vectorworksに関しては、使えば使うほど、CADの範疇におさまらない、オールラウンドで使えるツールだなと思いました。2023年に賞をいただいたコンペの資料や模型制作にも使っていますし、僕の同期にもVectorworksでプレゼンボードをつくっている子がいます。飯島さんは、愛知県蒲郡市で開催された「がまごおり公共建築学生チャレンジコンペ2023」に、同じ建築学科の学生である杉山峻涼さんとペアで参加。杉山さんがデザインのアイデアを考え、飯島さんがCADで描きながら実際の形に落とし込んでいったという。結果は、応募総数約370組中、上位6組、最優秀作品・優秀作品に次ぐ、佳作に選ばれた。飯島:最優秀作品に選ばれると、実際に建物を建てることができるという、学生向けとしてはとても珍しい実施コンペでした。そのため、トイレの広さや、ソーラーパネルを設置するなどの仕様の条件がいくつもありました。メーカーが配布しているDXF(Drawing Exchange Format)をダウンロードして使うなど、細かい施工図レベルまでVectorworksを使ってつくりました。模型もVectorworksで描いた展開図を印刷して制作しました。「がまごおり公共建築学生チャレンジコンペ2023」に提出したプレゼンボード 飯島:ちなみに、芸術祭で屋台をつくったときには、Vectorworksを使って描いたパーツの設計図を原寸で紙に印刷して木材に貼り、印をつけて削ったこともあります。平面の図面だけではなく、立体をつくるときもVectorworksが欠かせないですね。次ページ:直感的な操作性が、アイデアと思考を広げる
2025年7月16日(水)
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インタビュー
武蔵野美術大学

思いついたままの発想を図面に-武蔵野美術大学 建築学科に欠かせないツール(2)

直感的な操作性が、アイデアと思考を広げる取材時、コンペの資料群と合わせて飯島さんが見せてくれたのは、卒業制作の展示の際、製本して置いていたという設計図書や、就職活動で使用したポートフォリオ。いずれも驚くほど緻密な図面が並んでいた。その上、色使いやフォントなど、細部まで完成度の高い仕上がりに驚かされた。飯島:僕はかなり詳細まで図面を描いていくタイプなので、自分の思考スピードに手がついてきて、その手にVectorworksがついてきている。自分の思考や表現したいものにタイムラグなくツールがついてきてくれる操作性の良さは魅力だと思っています。また、印刷表現にもかなりこだわりを持っています。Vectorworksは、色調整が自在にできるカラーパレットや、グレーの濃度を1%単位で設定できる機能、Adobe Creative Cloudのフォントがそのまま使用できたり、文字の高さや寸法の細かな補助線まで、本当に自由にカスタマイズできる点も表現する上で役立ちました。飯島さんが見やすさにこだわった卒業制作作品「BE A GOOD SCENERY(S)」の断面詳細図 現在、修士2年に在籍する飯島さんは、大学院修了後に入社予定の企業にてすでにアルバイトとして勤務し、ほかのソフトを経験している。Vectorworksとの使い心地にどのような違いがあるかを尋ねてみた。飯島:どちらかというとVectorworksの方が、より直感的に操作できる感覚がありますね。ほかのCADの操作は、まずコマンドを打ったり、移動ツールを選択してから動かしたいオブジェクトを移動させたり、操作までワンクッション必要です。Vectorworksなら、選択後すぐに操作できてスピーディです。布施:たしかに、直感的に操作できるという利点はよく理解できます。何かを発想した時、手描きの場合は考えたそのままに手を動かして紙に描いていきますが、その動きに最も近いCADはVectorworksではないかと思います。パッと思いついたままに描くことができてしまう、本当に直感的なアプリケーションと言えるでしょう。ある程度慣れたら、Vectorworks上でエスキス(下書き)ができるくらい、手と近い感覚で使えますね。飯島:僕もVectorworksでエスキスを描きはじめることが多いです。加えて、マウスではなくトラックパッドを使って指で操作しているので、余計に手に吸い付くような感覚や、自分の脳と直接つながっているかのような使用感を感じるのかもしれません。飯島さんが勤務先で同期となるのは、総合大学の工学部などの建築学科で学んできた学生たち。就職活動中、「美大の建築学科」で学んできて良かったと思ったことが度々あったと話す。飯島:おもに研究メインの学科で学んできた学生は、考えてアウトプットするまである程度の時間が必要なようです。でも美大で学んだ自分は、脳内のイメージやアイデアをそれなりのクオリティでパッとアウトプットできます。このスキルが就活の際に活きました。わずか3時間ほどの間に、設計からパースまでを完成させる「即日設計」では、まさに後者の手早くアウトプットできた方が有利だったからです。それに、大学に行くと、彫刻を彫る人がいたり、不思議なものを制作する人がいたり、いろんな創作の熱意にあふれた環境が広がっているので刺激になっていると思います。校内の様子 変わりつづける社会の中、変わらない建築への情熱Vectorworksは武蔵野美術大学をはじめ、各種学校やキャリアアップスクールなどのさまざまな教育の現場で活用されている。2024年からはCAD教育支援が強化され、ライセンスの無償提供が開始された。その中の「Vectorworks学生·教職員向けライセンス」では、2025年6月から商用版の有償コンテンツと同等のクラウドサービスが提供されている。これにより今まで制限があった、iOSデバイスのLiDARセンサーを使用した室内空間のスキャン、写真からの3Dモデル生成がおこなえるようになり、クラウドベースのコラボレーションがさらに便利になる。また、「AI Visualizer」の利用も可能になり、Vectorworksのモデルや図面、あるいはテキストプロンプト(条件設定)から即座にデザインのイメージ画像生成もできるようになる。これからのAIとの関わりについて、布施先生に尋ねた。AI Visualizer(VECTORWORKS 2025 UPDATE 5)では、ブラシを使用した部分的な画像編集、スタイル適用の機能などにより、さらに高度なAI画像の生成が可能となった 布施:現状はまだ、授業で具体的に取り上げてはいませんが、当然ながら、AIの存在は誰もが避けては通ることのできないテーマです。どのように上手に使っていくといいのか、自然な形でAIを取り入れることができるのか、現在も検討しているところです。Vectorworksで利用できるのなら、ぜひ試してみたいです。最後に布施先生と飯島さんに、今後、武蔵野美術大学で建築や空間を学びたい方へのメッセージをうかがった。飯島:建築は法律やお金のことなど、制約や検討すべきことがいろいろとある一方で、人間が中に入ることのできる空間と、人命に関わるデザインに仕事として携わることもできます。その魅力はとても大きいと思います。自分のやりたいことを見つけるなり、突き進むなり、どんなことでもいいので、たった1つでも自分が好きだと思えることを発見したり、仕事として関わることができれば良いのではと思います。布施:コロナ禍を経たいま、特にこの先5年くらいの間に、建築家を取りまく状況は大きく変わっていくのではと考えています。現在、構造設計の小西泰孝先生、建築設備設計の持田正憲先生とともに、キャンパス設計室で本学の創設100周年にむけた記念館の基本設計をまとめていますが、建築コストが格段に増加しました。コスト面を理由に、中止や延期を余儀なくされるプロジェクトの話も聞きますし、さまざまな影響が出ています。しかしそれでも、この先どんなに変わることのないものがあるとすれば、建築に対する建築家の情熱であると思います。そして、建築家の思考が実際に建築として完成する喜びを味わえたのなら、モチベーションはますます上がります。この先一生をかけても、探求しがいのある職業だと思います。文:Naomi 撮影:高木亜麗 取材・編集:岩渕真理子(JDN)
2025年7月16日(水)
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インタビュー

社会課題に向き合う“新しい才能たち”の視点―ニューホープ賞受賞者対談(1)

2025年度に第4回目の開催を迎える「グッドデザイン・ニューホープ賞」。新しい世代のデザイン活動を支援することを目的にスタートした、公益財団法人日本デザイン振興会主催のデザイン賞です。JDNでは、初回開催時の2022年から「最優秀賞」受賞者へのインタビューを実施してきました(デザインノトビラ転載)。今回は、2022年から2024年の最優秀賞受賞者である奥村春香さん、項雅文さん、猪村真由さんにお集まりいただき、対談形式でお話をうかがいました。【これまでの受賞者インタビューはこちら】奥村春香さん受賞インタビュー項雅文さん受賞インタビューこれからのデザインの可能性を切り拓く3人は、いま何に向き合い、どんな未来を見据えているのでしょうか。今回の対談では、その思いや課題について率直に語っていただきました。プロダクトだけでなく「過程」を評価してもらえた――本日はお集まりいただきありがとうございます!まずは、初回である2022年の最優秀賞を受賞した奥村春香さんから順番に、現在の所属と活動内容を教えてください。奥村春香さん(以下、奥村):NPO法人 第3の家族の代表を務める奥村です。「第3の家族」は家庭環境に悩む少年少女に向けた自立支援サービスを提供しており、現在はWeb事業やイベント事業、社会構築事業などを展開しています。このプロジェクトで2022年にニューホープ賞の最優秀賞を受賞しました。奥村春香 NPO法人 第3の家族 代表。法政大学デザイン工学部を卒業後、LINE株式会社でプロダクトデザイナーを経て現職 項 雅文さん(以下、項):2023年に最優秀賞をいただいた項です。現在は株式会社ディー・エヌ・エーでデザイナーとして活動しつつ、受賞作品の、家で育てるキノコの菌糸体を素材にしたおもちゃキット「MYMORI」の商品化に向けたプロジェクトにも取り組んでいます。項雅文 株式会社ディー・エヌ・エー デザイン統括部でデザイナーとして活躍。武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科卒業 猪村真由さん(以下、猪村):非営利型一般社団法人Child Play Lab.の代表をしている猪村です。私たちは、病気とともに過ごすお子さんを対象にした「遊びの伴走支援プログラム」を運営しています。病院以外の場所で過ごす小児がんのお子さまに特化したお悩み相談・遊びのサポート「アドベンチャー ASSIST」を主たる取り組みとしておこなっていますが、今回のニューホープ賞の最優秀賞は、この伴走支援につながる前段階としての遊びのキット「アドベンチャーBOX」で受賞しました。猪村真由 非営利型一般社団法人Child Play Lab. 代表。慶應義塾大学看護医療学部看護学科に在学中、病児のあそび支援をおこなう医療系学生団体を立ち上げ、チャリティイベントに従事。その活動を発展させる形でChild Play Lab.を立ち上げ、現在にいたる ――2024年12月に受賞したばかりの猪村さんですが、受賞した際の率直な感想を教えてください。猪村:自分たちの歩みやプロセスを評価していただけたように感じてうれしかったです。私自身はデザイナーでもなければ病院に勤めている医療従事者でもありません。「アドベンチャーBOX」は、想いに共感して力を貸してくださったデザイナーや現場の保育士さん、看護師さんたちとのチーム連携で実現してきたものでした。そうした「過程」の部分を認めていただけたのがすごく励みになりました。 アドベンチャーBOX。「べッドの上から冒険を始めよう!」を合言葉に、入院している小学生にあそびという魔法を届けるあそびのスターターキット  猪村:その一方で、「取ってしまった!」という驚きの部分も大きくて(笑)。私は2024年3月に大学を卒業し、そのタイミングで法人登記したばかりで、まだプロダクトになる前のプロトタイプの段階で応募したような状態だったんです。 少しずつ子どもたちのもとへは届いているけれど、これからもっともっとアップデートしていきたいというフェーズでした。だからうれしい気持ちと、ここをスタートラインにしてもっとがんばらないと、という気持ちが両方ありました。――プロダクトだけでなく、活動全体を通しての評価である点はニューホープ賞の特徴かもしれませんね。猪村:そうですね。私たちは、病気とともに生きているお子さんの入院中の支援はもちろん、退院して地域社会に戻っていった後の社会システムのデザインにも取り組もうとしていて。そうしたなか、ニューホープ賞の審査委員の方に「一生をかけた挑戦だと感じました」と言っていただき、私たちの展望まで伝わっていたことに励まされました。プロダクト自体の評価というよりも、その先にどんな未来を描いているのかなど、そこに込めた思いの部分に想いを馳せていただけたのがすごくうれしかったです。現場で働く保育士さんや看護師さんをはじめ、スタッフの皆さんに勇気や自信を与える結果になったと思います。――デザインを通して現状の社会課題に問題提起していく姿勢は、奥村さんと項さんの受賞作品にも通じるかもしれません。奥村:受賞当時を振り返ると、シンプルにものづくりに対するモチベーションが強くて、デザイナーとしてすごく取りたい賞だったのでうれしかったのを覚えています。それから活動を続けていくにつれて、少年少女や家庭環境を取り巻く問題をより強く実感し、現状の社会システムを私たちが改善していかなければいけないと使命感を持つようになりました。家庭環境に問題がありながら、既存制度の支援対象に該当しない「はざまの少年少女」が居場所を見つけるためのサポートプロジェクト「第3の家族」。運営するWeb事業には、社会資源と経験談を集めた情報サイト「nigeruno」、匿名で悩みを吐き出せる「gedokun」などがある 奥村:最近ではこども家庭庁の「こどもの居場所部会」の委員も務めており、制度や政策づくりに関わるようになったのは、大きな変化だと感じています。デザインが大好きで応募した受賞当時の自分は、ここまで想像できていませんでした。項:私は、それまで学生作品としてつくってきたものが評価されたので、これから社会に届けていくための新しいチャレンジがはじまった、という感覚がありました。キノコの菌糸体を素材にしたおもちゃキット「MYMORI」。バイオ素材の現状を見直し、他素材の代替品としない未来の在り方を提案した 受賞が事業を進めていく大きな後押しに――ニューホープ賞を受賞してから大きな反響もあったと思うのですが、それによって事業に対する変化はありましたか。項:私は、賞を取ったことで、「キノコの菌糸体を生かしたおもちゃキット」というものの知名度を上げられたことが一番の収穫でした。デザイン界隈ではない人もおもしろがって購入してくれたり応援してくれたりして、少しずつ届く範囲が広がっていっているように感じています。最近はこの「MYMORI」キットを消費者に届けるためのクラウドファンディングを実施し、目標金額を達成することもできました。より多くの方に届けるためにはまだまだ時間がかかりますが、ニューホープ賞をきっかけに出会った方々の支援がパワーになっています。クラウドファンディングサイト「Makuake」でのプロジェクト 猪村:私はデザインのデの字も知らない看護学生だったので、ニューホープ賞授賞をきっかけにデザイナーの方とお話しする機会を得られたのが新鮮でした。それはものすごく有意義な出会いだったと感じています。私たちは日々お子さんと関わるときに、非言語コミュニケーションの中で子どもたちが紡ぐ思いや感情を受け取り、遊びを通じてコミュニケーションをとってきました。そうした言葉にならないニュアンスをデザイナーの方は丁寧に汲んでくれる感覚があって、そこから広がる未来について一緒に議論できることがとてもよかったと思います。 猪村:奥村さんもそうだと思うのですが、支援者の皆さんからいただく寄付をもとに運営している非営利団体としては、課題の認知含め、解決に向けての歩み自体において、社会の中でどのように接点をつくっていけるのかも大事だと思っています。病気とともに生きる子どもたちのことを決してかわいそうと思って欲しいわけではない。私たちは子どもたちが入院や治療を通じて自分と向き合ってきた時間や、その中で力強く生きようとする彼ら彼女たちの姿に目を向け、培われた感性やそこに秘められた可能性を存分に信じていく、そんな眼差しが社会に芽生えるきっかけにもなればと思っています。デザインの観点から考えることで、より多くの人にこの事業の目指すところを理解してもらえるのではないかと感じています。それこそ、デザインを通じて子どもたちに向き合ってきた奥村さんたちの話も今後じっくりお聞きしていきたいです。奥村:第3の家族が取り組んでいる、家庭環境の狭間にいる少年少女の問題はずっと前から存在していたけど、社会からは認知されていませんでした。というのも、どうしても自己責任論で片付けられてしまう現状があったんです。 奥村:そうした壁があったからこそ私自身もこの問題に取り組むことには不安を感じていて、最初は仲のいい友だちや指導教員にすら打ち明けずにWebサービスを考え、ちょうどいいタイミングでニューホープ賞があったので応募したんです。もしここで評価されたら、将来この問題に取り組んでいっていいんだと自信を持てるかなと。だから、受賞したときは自分の取り組みが社会に受け入れてもらえたように感じて、大きな励みになりました。猪村さんも触れていましたが、審査委員の方々とのコミュニケーションも大きかったです。受賞後も継続的にフィードバックやアドバイスをいただいたり、そのおかげで前に進めていると思います。歴代の受賞者がロールモデル――受賞後の支援プログラム「フォローアップ・ゼミ」では審査委員やほかの参加者と交流する機会があるようですが、その後もつながりが続いているのですね。フォローアップ・ゼミの様子。受賞者や応募者が参加できるプログラムで、応募作品について簡潔にプレゼンし、審査委員からレビューやアドバイスをもらうことができる 奥村:横のつながりで言うと、同じ年に受賞した方にサービス開発をお願いしていたり、みんなでよく展示を見に行ったりしています。そうした、共に歩む仲間ができたのも心強かったです。項:奥村さんが参加された年度の受賞者の方々は私たちの年度の参加者にも積極的にコミュニケーションをとってくださっていますよね。横のつながりとしては、私も同じ年度の受賞者が「MYMORI」プロジェクトのビジネス面を手伝ってくれていたり、ほかの方にも技術面で教わる機会があったりして、うれしい出会いでした。猪村:私自身は、奥村さんや、2023年度に「死んだ母の日展」で優秀賞を受賞された中澤希公さんと交流の機会があり、一歩二歩先でデザインを活用しながらチャレンジしている仲間と出会えたことは大きいなと思います。――奥村さんと猪村さんは、どこで交流する機会があったのですか?奥村:猪村さんが受賞した後の懇親会に参加した際、思いきって声をかけたのが最初でした。もともと私がSNSでChild Play Lab.の活動を知っていて、気になっていたんです。その後も、活動のスタイルや文脈が近いこともあり、同じ助成金に採択されるなど、それ以来お会いする機会が何度もありました。猪村:奥村さんが受賞したのは2年半ほど前になると思うのですが、社会に浸透してみなさんの応援が力に変わってきている姿を目の当たりにして、将来像を見据える際の大きな指針になっています。次ページ:ユーザーとの接点や好循環が生まれはじめている
2025年6月30日(月)
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社会課題に向き合う“新しい才能たち”の視点―ニューホープ賞受賞者対談(2)

ユーザーとの接点や好循環が生まれはじめている――奥村さんと項さんは受賞からそれぞれ1年~2年経ちますが、作品に関する最新トピックがあれば教えてください。奥村:まずWebサービスの方は、AIなども組み込みながらどんどんアップデートしていて、ユーザー数も当時の月利用者3,000人から5,000人まで増加しています。あとは、Webサービスだけでなく制度や仕組みに働きかけるような活動にも積極的に取り組むようになりました。受賞をきっかけにメディアにも取り上げていただき、活動が広がるなかで助成金を受けたり、講演会に登壇する機会も増えてきました。活動の内容自体についても、オンラインだけでなくオフラインの奥行きが出るようになってきています。支援という言葉から連想される枠にとらわれないイベントをやろうと思って、音楽ライブを開催したり、焚き火イベントを実施したりといった活動にも取り組んでいます。音楽ライブの様子。家庭環境問題や支援のことを考えずに、ただ楽しむ場をつくるイベント。少年少女たちの次の一歩に繋がるようなアーティストとの出会いの場でもある 奥村:それができるようになったのは、支援してくださるメンバーやボランティアの方が増えてきたから。かつてサービスを利用してくれていた子どもたちが高校生や大学生になって、「ボランティアをやりたいです!」と連絡してきてくれることも徐々に増えているんです。こうした循環を続けていければいいなと思っています。猪村:そういうお話を聞くと私も勇気づけられます。まさに自分たちもいま関わっている子どもたちが小学生から中学生くらいの年齢です。そうした子どもたちが、これから数年経って病気とともに生きていく過程で、その道のりは決してうまくいくことばかりではないかもしれないけれども、それでも、どんなときもその子らしさを大切に人生を歩んでいるような姿を見られたらいいなと思います。そのサイクルが生まれていくことをすごく楽しみにしています。項: 私は、先ほども言ったようにクラウドファンディングを実施していましたが、消費者向けにPR文を書いたり、広報や宣伝に取り組んだりするなかで「デザイン作品をプロダクトとして世に出すこと」の難しさを実感しているところです。あとは、2024年12月にクリエイティブ・メディアの「知財図鑑」が実施している「知財番付2024」で創造性部門賞(銅賞)を受賞できたのも大きな出来事でした。そこで、技術を活かして新たな可能性を切り開くものづくりに取り組む方々とつながることができ、私たちが使用するバイオ素材の可能性を、改めて実感する機会にもなりました。また、この道の先輩方から多くを学ばせていただくこともできました。項: これまでは、「MYMORI」という作品や菌糸体という素材を今後どのように発展させていくか、自分でも想像がつかない部分もありました。ですが、さまざまな出会いやアドバイスを通じて、自分が歩んでいく道が明確になってきたように思います。「知財番付2024」はニューホープ賞での実績を見ていただけた賞だったので、ありがたく感じています。奥村:私ももともとプロダクトデザインを学んでいたので、学生時代の作品を販売まで持っていくことの難しさと、それに取り組んでいる項さんのすごさがわかります。大学でプロダクトを学んでいる学生のロールモデルになってほしいなと思います。項: ニューホープ賞の受賞後に、大学の指導教員から「生産するのは簡単だけど、実際に売っていくのが一番難しいよ」と言われたことを思い出しました。いままさにそれを実感しているところです(笑)。潜在的な課題に対する価値創造をいかに広げていくか猪村:最近、近しい領域で事業に取り組んでいる友人たちの話を聞いて思うのが、客観的に見たら課題に思うようなものでも、その当事者のお子さんやご家族にとっては、それが“いま”の姿であり日常だからこそ、実は課題として認識されていないことがあるということです。Child Play Lab.や第3の家族の出発点も近しい部分にあるのではないかなと思っています。いわば、課題として社会が気付く前の「潜在的な課題」。自然な形で当事者と出会い、何気ない関わりの中で潜在的な課題を解決していくという過程やそのアプローチがとても重要であり、デザインの力もまさしく活きてくると感じます。その一方で、こうした課題やアプローチはとても曖昧なものだったりもします。顕在化した課題に対するわかりやすい解決策であればあるほど、社会からの共感は得やすい傾向にあり、ある意味ジレンマであると思っていて……ぜひふたりの意見を聞いてみたいと思っています。奥村:それこそニューホープ賞が評価するものは、潜在的な課題に対する価値創造であるものが多いのではないかと思います。これからはそうした視点が重要になってくると思いますが、まだ現状は、何かの事象が発生したあとに仕組みが変わることの方が多いですよね。奥村:そこに対する違和感を覚えている上の世代の方々もいるから、時間はかかりそうだけど、一緒に考えながら社会を変えていく過程にあるのかなと思います。私たちは従来の支援的なアプローチではなく、自然な関わり方を重視することで、「潜在的な課題」の立場にいる子どもたちに向き合っています。オフラインのイベントもそうですし、オンラインでは検索上位で第3の家族にたどり着いてくれるようなサイト設計にも取り組んでいます。猪村さんはどうしてますか?猪村:私たちは、事業として解決していくべき子どもとそのご家族が抱える課題の現状把握に向き合っているところで、ソリューションとしての訴求はまだ大々的にはしていないのが現状です。そのため、なかなか一般的なサイト検索で辿り着くのは難しいと思いますし、届けたいお子さんやご家族が置かれている状況としては、知ってくれたとしても心理的に申し込みまでの一歩が踏み出しにくい状況だと捉えています。最近は、実際に伴走しているお子さんの闘病仲間に紹介いただいたり、病院の先生や看護師さん、保育士さんが直接紹介してくださることによって、少しずつお子さんとの出会いを増やしています。今日も師長さんの好意で病院にチラシを掲示してくださるとのことで、挨拶にうかがってきました。一人ひとりとの関係性を丁寧に育んでいきたいと思っています。奥村:項さんも「消費者向けのPR文を考えている」と先ほど言っていましたが、言葉が重要であると私も感じています。いままでずっとデザインの勉強をしてきたので、福祉系の人に対してもデザイン系の言語で喋ってしまっていたんです。だんだん福祉の言語もわかってきたけれど、逆にそっちに寄りすぎるとデザイン系の領域でコミュニケーションが取りにくくなったりもして。行ったり来たりしながら試行錯誤しているところです。多数の視点を揺れ動きながら進んでいくこと奥村:これまでの話を踏まえて、学生時代といまの自分で変わったことがあるかをみなさんに聞いてみたいです。私はいままでは本当にデザインが大好きだったけど、最近は福祉や経営のことも学ばないと進んでいけないことに気づいて(笑)。でも本当はずっとデザインだけやりたい自分もいたり……その狭間にいるんですよね。項: その気持ちはすごくわかります。クラファンをはじめたことで広告について勉強したり、その都度いろいろ学ばないといけないことは多い。将来的に誰か専門家を巻き込んでもいいと思うけど、最初は全部自分で経験したほうがいいのかなとは思ってがんばっています。デザイナーがデザインだけしていると、その業界の中に閉じ込められてなかなか外に広げていけないと思っています。ニューホープ賞の受賞は社会とのつながりが増えるチャンスでもあったし、今後必要なスキルは一つずつ習得していければいいのかなと。奥村:ちゃんと一つひとつを勉強として考えられていてすばらしい……。項: 広告を投げてみたところ、最初は全然届かなくて苦労した場面もありました。そのときは所属する会社で広告に詳しい同期に教えてもらったりしました。その過程で勉強になったことのほうが多かったなと思います。奥村:猪村さんは何か心理的に変わった面はありますか?猪村:あんまり変わってないかもしれないですね。デザインを専門として学んでいないことも、ある意味強みとして生きているのかなって思います。私が一貫して大事にしているのは、「純度の高い自分でいること」です。「アドベンチャーBOX」で遊ぶこどもたちと 猪村:ひとりでも多くの子どもとご家族に届けたいという思いもあるので、より仕組みに落とし込んでいけるよう思考していきたいと思いつつも、まずは、目の前にいる子どもたちから発せられる力強さや目の輝きにきちんと心を向けて、その子がその子らしく過ごせるようにという願いと共に歩んでいくことを大事にしています。うまくいくことばかりではないけれども、理想と現実の境界をとかしていく力はデザインが持つ大きな強みだと感じているので、両方の視点を取り入れていきたいと考えています。奥村:未来を見る視点と目の前のユーザーを見る視点ってすごく重要で、私もそれは行ったり来たりすることが大事なのかなと思います。私たちの活動は社会に新しい価値観をつくろうとしていることだから、すぐに変わるものではないかもしれない。でも、いま届いているユーザーには少しずつ変化が起きているかもしれないから、その母数を少しずつでも増やしていけたらいいなと思います。項: ユーザーの反応を見ながらブラッシュアップしたり修正したりし続けていくことが大事なのかなと私も思っています。ニューホープ賞の受賞はゴールではなく、社会との接点を持つスタート地点であるということが、改めておふたりの話を聞いていて明確になりました。焦らずに、自分の考えに向き合ってほしい――同じ志を持った仲間がいる心強さが伝わってくるお話ばかりでした。2025年度のグッドデザイン・ニューホープ賞が応募受付中なので、最後に、応募しようか迷っている方々にアドバイスやメッセージをお願いできますか。猪村:評価されるためとか賞を取るためというだけでなく、いまある自分の内側の思いを根っこから問い直し、他者に伝えるきっかけにしてほしいなと思います。一般的なコンペやコンテストって、ある意味「こういうものが望まれるよね」という最適解を目指して自分の思いをそこに収斂させていく部分もあると思うんです。それはニューホープ賞のあるべき姿とはおそらく違うところではないかと感じています。この賞をいただいたときに、審査委員の方々から根っこにある思いが伝わったとも言ってくださり、審査委員の方々がまっすぐ応募者に向き合ってくださる姿勢に驚いたんです。だからこそ、たとえ受賞にいたらなくても、自分と向き合ったプロセスは将来の糧になると思うので、全力で応募してほしいですね。私は応募前に審査委員のメッセージを読み込んで想いを受け取り、その想いに答えるよう自分のありのままを綴りました。ある意味このプロセスこそが審査委員との対話でもあると思うので、ぜひこの賞の目指すところを知った上で応募するといいのかなと思います。項: とても共感します。まず自分が本当にやりたいことをじっくり考えて、それをアウトプットすることが大事かなと思っています。誰かの真似ではなく、いま流行っているからという動機でもなく、自分の文脈でものづくりに取り組んでほしい。そこには必ず価値があると思います。先ほども話していたように、私たちのようなデザイナーは社会の中で新しい存在なのかなと思っています。そして、毎年新しい受賞者が出ることによって、同じ価値観を持つデザイナーがこれだけいるんだと世の中に伝わっていくきっかけになるはず。だから、素晴らしい人たちがもっともっとこの賞に応募してきて、みんなで一緒にいいデザインを広めていけたらいいなと思っています。奥村:おふたりのお話に共感しつつ、あとは「焦らないでいいよ」とも伝えたいですね。学生時代は課題とか賞とかがいっぱいあって進路を考えたりするなかでもクラクラすると思うんですけど、焦って応募するのではなくて自分との対話を一番に大切にしてほしいです。久しぶりに展示会に行ってみるとか、ちょっと本を読んでみるとか、自分に余白をつくりつつ、そこで見えてきたものを表現していくといいのかなと思います!文:原航平 撮影:井手勇貴 取材・編集:萩原あとり(JDN)
2025年6月30日(月)

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