藝大木くず廃棄所とは東京藝大上野校地、絵画棟横にある全科共通の廃棄施設。
通称『木の墓場』と呼ばれており、木材の捨て方に関するルールは存在するものの、実質あまり守られておらず、常に崩壊状態、明らかに管理が行き届いていない姿で運用されていたが、その危険さなどから大学側を含め誰もここを変えることに手を着けなかった。
この状況を変えたい、と思ったときに最も必要なのは、「廃棄になるものを減らすことのできる手放し方ができる環境」である、と考えた。
木くず廃棄所の空間・機能を再設計し、それを実際に機能させることで、新しい廃棄・リユースシステムを構築する。SNSを使い発信・認知を行い、大学の中に分別文化を浸透させることで、「木はリユースするもの」という新しい伝統をデザインし、定着させる。
市場とは、例えば海産物が最初に商品として世の中に出回る、いわば始まりの場所である。「捨てる」という行為を「卸す」という行為に変換し、誰もが「再木」という資源の生産者として、次の人のことを考えて循環の中に資源を入れていく。
木くず置き場を、「捨てる場所」から「卸す場所」へ。『木の墓場』を『始まりの市場』へ。
2023年:第71回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 東京藝術大学 買上賞
作品詳細サイト:https://geicy2022.studio.site
ポートフォリオ:https://nogu-hakken.studio.site