現代都市生活に欠かせないツール「スマホ」。私たちは迷路のように複雑で多元的な情報を含んだジャングルである「街」を迷わないように日々歩いている。それを可能にしているのがスマホだ。便利さの反面、私たちはスマホを覗き込んでいる時、視覚情報を制限される。
画面に集中しているとマップの中に入り込んだ気分になる時がある。平面の中を青い矢印に従って歩き、気付くと目的地についている。そういった画面を見ている時の感覚をこの作品では表現したいと考えた。
〈作品の概要〉
約4m×2m×1.7m、スマホをモチーフにした体験型装置を制作。高さ1.7mの壁により、鑑賞者がジャンプをしても中が覗けないような仕組みにする。また、作品内の床から風を吹かせることで「歩きスマホ」をしている時の感覚を制作した。作品名「Port-Pool-Phone」について、装置立案の際、携帯と共通点があるものを想定し、現在の名前に落ち着いた。港のようにどこにでも行け、プールのように情報を溜め込む、それがスマホだと思った。その為、作品の外観にそれらの要素を取り入れた。他に質問が多かったものとして、「なぜマップが新宿なのですか。」というものがあった。答えとして「相原(八王子付近)の山中の施設に展示するので、新宿のような都会をマップには選びたいと考えた。山の中にいてもスマホに入れば都会に行くことができる、それが面白いと思った。」とした。
〈作品の成果〉
鑑賞者との対話もあり、改善点を考え次に生かすことができたと考える。今後「匂い」というメディアも取り入れ、インスタレーションを制作していこうと考える。