横須賀にある上町銀座商店街には2つの特徴がある。1つ目は看板建築。商店街には建物が89棟ある中で14棟残されている。そこに新規の店舗が入り、新しさと古さが混同した街並みが特徴である。2つ目は着物やお祭り道具などの伝統を扱う専門店が多いのが特徴である。しかし、商店街全体の高齢化や後継者不足により閉店する店舗も多く、商店街にある伝統的な技術や知識が途絶えつつある。
そこで、新しい知識が学べるコレカラ荘と伝統を学ぶことができるイママデ荘の2棟を建てることとした。
2棟の建物のつながりを作るため、現在では裏通りとなっているが昔は商店街であった浦賀通りを利用した。2棟とも中心に小道を作り動線をつなげることで新たな人の流れを作り、表通りと別に裏通りでは住民が溜まれるスペースを設計した。裏にも人を集めると2棟に挟まれた間の建物では裏と表を店舗にすることができ、小さなスペースができるため少ない開店資金で店舗を始めることができる。この仕組みが商店街に広がると、空き店舗を減らし、様々な人に興味を持ってもらうきっかけとなる。そうすることで、来た人が知識を媒体に、世代や国境を超えてつながりを作ることができる。