卒業制作で作っている間、本当に好きなことをして遊んでいたような、そんな感覚です。大学生活の、とくにメタル&ジュエリーコースを専攻してからの3年間は、本当にやりたいことをやって充実した時間でした。最後の1年間は自分のパワーをおもいきり放出できたように思います。
“桃源郷”という言葉は、自分の名前の由来になっている特別な意味を持つ言葉で、そこにさらに思索を重ねます。桃源郷というテーマを考えたとき、名前の由来であることと花や植物、ジュエリーと、自分の好きなものにしようと思いつきました。そしてもっと掘り下げ、なぜジュエリーが好きなのかと考えると、作っている時間も好きだし、道具も好き、彫金机という機能美の詰まった机も好きなんだと気が付きました。作業している時間も愛おしい時間です。
展示場所としてジュエリー工房を使わせてもらえることになり、作っているプロセスや作業する場も見てもらうのが表現したいことに一番ぴったりくるように思い、こうした展示にしました。作っている私の周りから、お花や植物があふれ出ているようなイメージを感じていただければと思います。