舞台芸術や映画のセットの様なハリボテの内側に造作された12の抽象的なグレーの部屋が複数のパイプによって繋がれており、1つの大きな機械や建築物の様な集合体となっている。
パイプにはそれぞれタイマーによって制御されたファンが取り付けられており、それぞれの部屋の空気を循環させている。パイプはパイプオルガンの構造が施されており、パイプに空気が流れ込む度に空気の流れが振動し、音へと変換され、展示空間全体へと鳴り響いている。
それぞれの部屋は曖昧なスケール感を持ち、様々な空間へと緩やかに接続されることで、映画のワンシーンや現実の密室と外界との接続などにも捉えることができ、虚構と現実の境界を空気と共に揺るがしている。