他人の評価で自分の価値を決める癖がある。
自分の思考を疑い、常に何かに怯えながら生きていると、いつの間にか自分の姿を見失っていた。
しかし、外側にばかり向けていた視線を自分自身に向けたとき、初めて自分を知れた気がした。
積み重ねてきた言葉には、もう縛られない。
人の評価で作られた氷を破壊して、私は自分を解放する。
スキーマ療法とドローイングを組み合わせた自己探求を行いました。スキーマ療法とは、幼少期から形成された「スキーマ」(思考や行動のパターン)が現在の感情や行動に与える影響を理解し、改善を図る心理療法です。この療法では、ネガティブなスキーマが現在の問題の原因となることが多く、掘り進めていく過程で心が重くなる場合があります。そのため、療法の過程でドローイングを行い、感情や考えを視覚的に表現しながら気持ちを整理しました。ドローイングと掘り下げた自分のスキーマをコラージュすることで、徐々に自分を肯定的に捉える効果を得ました。今回の展示では、自己探求の過程で発見した表現を用い、これまでの人生で唯一、自分の意思を貫いてきた服を媒体に、「解放」をテーマとした作品を制作しました。
2025年:第73回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 東京藝術大学 Nデザイン賞