ずっと人間は好きじゃなくて、粘菌の方がよっぽど綺麗で。
今まで何とか人間でいたけれどこの先はどう生きていこうと思っていた。
生きる死ぬということについて、南方熊楠の仏教に影響された粘菌の考え方が共感できた。仏教が仏像を作り救いや生き方の道標としたように、私の生き方の道標を偶像化した。
誰にも属さない特異な生物の粘菌は、森の中を思うがまま駆けていく。
己を貫き通した服を纏ったギャルは街中をブーツで力強く闊歩して行く。
彼らは遠い存在のようで実は似ているのかもしれない。
悪人と助けてくれない善人と醜い人間で溢れる世界で、彼らは真っ直ぐに生きている。
奇妙で異質で歪で美しくて強くて、自由で。
周りは敵だらけでも彼らなら戦える。
私もあんな風に世界を歩いてみようか。
彼らのように目を大きく見開いて。
彼らのような足取りで。
右は、ルリホコリがモデル
木"ャ」レ:」レL|
ヒバとウォールナットを使用。
左は、ウツボホコリがモデル
木"ャ」レ:ゥ⊃(ま"
ヒノキとアロマティックシダーウッドを使用。
掛け軸は、粘菌を飼育した際に実際に粘菌が竹炭で描いた図版。
図版を元に台座や後光の造形を制作。
2025年:第73回 東京藝術大学 卒業・修了制作展 メトロ文化財団賞