カバンの中身からみたカバンは、人にとっての服と同じかもしれない。
人がものを持ち運ぶときには必ず、何を持って何を持たないかという選択をしている。
すなわち、人が持ち運ぶものはその人自身をうつす鏡である。
それを外から包みこんで、まわりの環境から中身を守り、ときには飾り立てるカバンの役割は、人にとっての服と似ている。
カバンが服のようなものであるとするならば、ものを入れる道具から何か違う姿が見出せるように思えた。
服が人を包むために用いられる形の工夫を抽出し袋の形に置き換えて、「運ぶもの」であり「纏うもの」としてのカバンをデザインした。
2023年:第71回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 台東区長奨励賞
2025年:第73回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 デザイン賞