本制作は、テキスタイルと光の融合を体感できる展示の提案である。
1階はピロティで、2階は展示空間とする。4つのブースからなる展示空間は「子ども向け」「手作り体験」「文化・伝統の学び」「照明・衣装展示」に分けられている。それらは毛布に包まるような感覚で人々に安心と温もりを与える。加えて間接的に灯す照明により、更に効果が発揮される。照明の当たり方や光量によって変化する楽しみ方がある。
同時に本制作では、「古いけれど新しい」という新たに生まれる価値に気づきを与えることを目指す。日常にありふれるテキスタイルを、自らの手で救うことを目的としている。
2階までのアプローチ部分は、スロープと階段を編み込むように動線を確保した。両サイドに階段を設け、階段幅を広くすることで混雑を回避している。また、階段とスロープが重なる箇所に踊り場を設けることで、利用者が自由に使い分けをすることが可能である。スロープ下に空洞をつくることでピロティまでの動線を確保した。これらの隙間は憩いのスペースとして有効活用している。
本展示では薄明薄暮の光に誘われ、まるで空間自体が生きているような感覚を味わうことができる。