材料技術はものづくりの基盤となる重要な分野であり、幅広い分野の人に知ってもらうことが重要である。
先端材料工学科の研究室に協力を得て、“ぬれ”現象の一つである撥水技術をテーマに、架空の科学博物館の展示「ぬれ技術」を制作した。
撥水加工を施したパイプによる水滴のインスタレーション、撥水表面の拡大模型、映像作品、撥水の仕組みの図解など、五感に訴えかける体験型の展示物を通して、撥水技術について専門外の人にも興味を持ってもらうことを目的としている。
展示の最後にはアイデアボードを設置し、自分が普段得意としている分野に結び付けて考える「発想」のフェーズを取り入れた。見て触って興味を持ってもらうだけではなく、その先の分野横断的な発想につなげることが材料技術の用途開発、ものづくりの発展につながると考えているからである。
展示会会期中にたくさんの面白いアイデアが寄せられ、来場者同士で意見交換する場面も見られた。その場で思いつかず付箋を貼れなかった方もこの展示をきっかけに少しでも考える時間が生まれていたら嬉しく思う。
知的好奇心、創造力を刺激するような技術と人をつなぐデザインとして本展示を提案する。