学生食堂の混雑緩和を目的に、3項目に分けて調査を行った結果、注文・受取時の待機列の行動パターンと食品サンプル前から券売機に移動するまでの時間、テーブルに滞在する時間が明らかになった。その結果を分析し、待機列の誘導とメニュー決めにかかる時間の短縮が必要であることがわかった。
そこで、検証により起きた利用者の変化と有効だと考えられた対策をもとに、電子値札の導入による売り切れ反映速度の向上や、モニターを用いたメニュー写真の表示といった提案を行った。その上で根本的に滞留が起きにくくより効率的に利用してもらうために、行動経済学の考え方に基づいて、交差しないための動線設計やモバイルオーダー等の食堂のICT化といった将来的な案も記述した。
無意識のうちに行動が変容され、動作が誘導されることでよりスムーズな利用を促すことに効果的であると考える。利用者にとってはピーク時でもスムーズに利用しやすく、提供者にとっては清掃や移動の負担を減らせるような両者にとってよい効果をもたらす食堂設計が必要である。