本作品は、「助手席」という空間を再構築し、体験者が自身の記憶や感情と向き合うことを目的としたインスタレーションです。助手席は単なる移動手段の一部ではなく、数え切れない思い出が刻まれた場所であり、過去と現在を繋ぐ媒介となります。
助手席に座ることで感じた安心感や寂しさ、逃避したくなった瞬間、世界の広さを知ったあの日——。そうした記憶の断片は、今のあなたを形作る大切な要素ではないでしょうか。本作品は、その記憶と対話する場を生み出します。過ぎ去る景色、揺れる助手席、漂うラジオの音、車窓から差し込む光、そして慨にふける体験者の思い——、それらが絡み合い、曖昧になりかけた記憶を呼び覚まし、過去と現在が交錯する象徴的な空間を作り出します。
助手席に座るという普遍的な体験が、記憶を解き放つ鍵となります。過去の自分と向き合い、時間の流れを再認識することで、体験者それぞれの内に眠る物語が浮かび上がるでしょう。本作品は、忘れかけた記憶を形にし、自らの存在や人生を見つめ直すきっかけを提供するインスタレーション作品です。