[最優秀賞]
人の気持ちや天候など私たちの周りには、繊細で曖昧な儚くて美しいものが多くあります。多くの場合、私たちはそれらを絵や文字で視覚的に表現し感じ取っています。では、それは目の不自由な人と一緒に楽しめているでしょうか。
上島さんの提案する「てよみ書店」の本は、様々な人たちが一緒にその情感を楽しむ本です。研究タイトルの「触覚を活かした情感を豊かにする表現の研究」とある通り、情感を表現できる触覚を追い求め、凹凸の形や数、密度などを楽しみながら試行錯誤しました。その成果の一端は研究ノートで見ることができます。誰よりも実験や試作を楽しみ、失敗を活かし、自分が良いと思う作品を仕上げようとするその姿勢は素晴らしいものでした。
これらの試行は、私たちが様々な機器を用いる際のインタフェースの可能性を多分に含めており、プロダクトデザイン分野の未来を感じさせるものと言えます。