本来インタラクティブ空間が備えているべき「双方向性」をより単純に表現し、インタラクションを体感的に理解しやすいものを制作したいと考えた。空間によって共創的なコミュニケーションを生み出し、他者の存在を自然な形でポジティブな存在に変化させることを目指し、以下の4点に着目して制作を行った。
1)無意識な行動で他者との関わりが生まれること→人が歩いている時の「すれ違う瞬間」に着目した。
2)単純な動作でインタラクションが理解しやすいこと→人の「影」を用いる。
3)体験者同士で発見や驚きを共有できること→カラーシャドウ※を用いる。
※光の三原色=RGB(赤・緑・青)の3色の光を同時に壁に照らした時、照明と壁の間に人が立つとできる、CMY(シアン・マゼンタ・イエロー)の3色の影のこと
4)音によって気づきを作ること→色の重なり方は全部で3パターンとなる。すれ違う瞬間にCとMが重なりBが出てきたら水滴が落ちる音、M+Y→Rでキラキラとした音、Y+C→Gでピアノの音、というように、それぞれに異なる音を当て、色の変化で異なる音が生まれることへの気づきを作る。