筆文字には、躍動感、力強さ、温かみなど、デジタルフォントやペン、鉛筆で書いた字体にはない魅力がある。自身の10年以上にわたる書道の経験をもとに、筆文字の魅力が伝わる漢字デジタルフォントを作ろうと考えた。
唐の四大家の一人とされ、「顔法」と呼ばれる特徴的な書法を編み出した書家、顔真卿の作品である「自書告身帖」を選び、そこに記載された文字のうち異体字や旧字体を除いたものと、若干の記載されていない文字に対し、はね・はらいなどの辺、部首の統一化と正方形の枠組みに収まるようにすることを基本コンセプトに制作を行った。