PECS(絵カードコミュニケーション)のリデザイン
発達障害を持つ人の中で発語のない人に着目し、彼らのコミュニケーションを促すツールを制作した。
発語のない人への支援ツールとしては、「PECS(絵カードコミュニケーションシステム)」があるが、既存品には、
- ほとんどが支援者の自作であり、制作の負担が大きい。
- 聴覚過敏傾向の人は話し言葉に全般的注意を向けることが難しい。
- 利用者の望む表出内容をすべて網羅できるとは限らない。
といった問題があることがわかった。これを踏まえ、触覚を取り入れたデザインにすることでさらに利用者の注意関心を引くことができ、支援者にとっても導入しやすいツールになると考えた。
デザインのポイント:
- 従来のマジックテープに代えて、着脱時により音の出ない磁石を採用し、リフィルに段差をつけることで簡単に取り外しできるようにした。
- 絵カードの裏面に凹凸をつけ、色・感触を分けることができるようにした。
- 紙や写真を貼るだけで絵カードが完成するようにすることで、従来のラミネート加工などの手間が省け、かつより安全に利用できるようにした。