本研究は、完全自動運転の普及した社会における、モビリティーの在り方の研究であった。
3DCGを用いて三種類のパネルと各々の運動によるモビリティー空間を疑似的に作成し、それらによる感性価値を考案した。これは既存の心理研究における動きに対する心的変化とも、乗り物の感性評価とも大きく異なった、空間的かつ直感的取り組みである。
自動運転時における空間の変化は、ユーザー自身の身体性の拡張ではなく、モビリティー側からユーザーに対する能動的変化によって捉えられる。
考案したインタフェース環境をモビリティーに導入することにより、ユーザーに対してモビリティーとの新たな関係性と移動体験価値が可能になることを示した。