T字杖は多くの人に使用されるが、接地角次第で接地部が点となるため、安定性に不安を抱える人も多いと考えた。
本研究ではこの問題を解決するため、杖石突部にラチェット機構を取り入れた新たな杖の開発をおこなった。
ラチェット機構を入手し、杖先に搭載するために杖先の設計を3DCADでおこなった。設計したデータを3Dプリンタで出力し歩行実験をおこない、杖先の接地面積を計測した。
実験の結果、杖先の接地面積は杖先全面の約61%となったことから杖としての機能を概ね果たしていると考えられる。しかし、使用した材料の観点から耐久性に欠ける部分もあり、今後のブラッシュアップでは材質などの変更も必要であると考える。