感情の度合いを第三者に伝えることは難しい。恐怖感などの負のイメージはなおさらである。しかし、患者中心医療を考えたとき、恐怖の度合いを可視化することは、今後重要な課題である。なぜなら患児に限らず、恐怖感の度合いを知ることによる不安払拭のための手立ては、処置治療への不安感払拭へと繋がるからである。すなわち、気持ちの上で医療者とコミュニケーションが可能になることが、患者中心医療へ支援になるからである。
本ツールは、恐怖のレベルを患児自身が表現できるツールである。初めに、患児にどちらかのモデルを選択してもらい、自分が感じている恐怖のレベルに近いものを選んでもらう。必要に応じて複数枚を重ねたりすることでイメージに近づけてもらう。この「表現する」という手続きの間に発話があれば話しかけるなどして、その理由を尋ねる。これにより、単に恐怖のレベルを知るだけではなく、その原因や内容などを知ることも可能となる。