社交不安障害は人前で発表などをする際に過度な緊張をすることを指す。緊張をする要因として、経験不足や人に見られている恐怖から来ることがわかった。しかし、練習のためだけに人を集めることは現実的に難しい。そこでVRを用いてより効果がある方法を探るために、エクスポージャー療法とインプロ―ジョン療法の2つを用いる。エクスポージャー療法は段階的に恐怖刺激を強めていく方法で、インプロ―ジョン療法は一気に恐怖刺激を与える療法のことである。療法を取り入れるために恐怖刺激として視線を考慮し、3つの段階的な観客、立体図形、一頭身キャラクター、人型キャラクターの前で練習を行えるVRツールを制作した。
20代の10名に2つの療法を用いたツールを順番に使用してもらい、脈拍の測定、観客の評価を行ったところ、療法の影響は実験期間が短かったこともあり差異が見られなかったが、練習ツールとしては使用できることがわかった。