家具自体のもつ減災要素として家具転倒時の身体的衝撃に着目し、これを軽減するデザイン要素を明らかにすることを目的として、タケを主材とした転倒ダメージ軽減家具の開発を行った。
加速度センサーを用いた転倒実験により、軽量、低重心であることに加え、部材強度が十分な場合では、弾性を有する構造により家具転倒時の身体的衝撃を軽減できることが明らかになった。また、一定の条件下では、衝突面に対策を施すことで衝撃を軽減できる可能性が示唆された。これらの結果をもとにタケ緩衝フレームシェルフを制作した。
部材面積が小さく軽量で、構造全体に弾性を有するフレーム構造とし、タケ集成材を主材とすることで部材強度と弾性を両立している。また、転倒時の衝撃対策として、シェルフ正面および背面にはタケ集成材による緩衝フレームを配し、天板および棚板端面と支柱部材を二重構造とした。底板には厚さ34mmのタケ集成材を用い、重心を下げている。