我が国の森林は国土の約70%を占めているが、樹木の高齢化による資源の劣化等から、積極的な活用が求められている。またコロナ禍の影響からウッドショックといった状況に陥っており、輸入木材量の減少、価格高騰から、国産木材の需要が高まってきている。
本研究では国産木材の活用に対する一提案を行うこととし、スギやヒノキ、ブナ等の国産木材単板に柔軟加工を施した木の紙の有効利用を検討した。木の紙は、折り・縫い・織り加工、着色が可能で、光の透過性が良いという性質を持つことから、ランプシェードに応用し、6種類を制作した(図1)。図2はパッチワーク、図3は切り起こし、図4は織り加工を施し、いずれも針葉樹、広葉樹の木の紙に合わせた樹木形状をモチーフとしてデザインした。木の紙の性質を活かしながら、木の紙から感じられる地味さに彩りを加えながら制作したことで、従来とは異なる活用方法を提示できたと考える。