わが国では平成30年にユニバーサル社会実現推進法が制定され、ユニバーサルデザインが活用されている。これは手すりも例外ではなく波型手すりなどが開発されているが、真っ直ぐな手すりとの選択比較では2割程度の評価にとどまっていると八藤後猛教授らは報告している。またこれらの手すりはいずれも円形であり、その他の形状についての研究は多くない。本研究では、新たな階段用手すり形状の開発を目的に、握りやすさを評価できる力学的負荷計測装置を製作し、断面形状の異なる6種類の手すりを用いて階段登り実験をおこなった。
実験の結果、各被験者の把持の積分電圧は円形手すりで約0.25ms・V,5角形で約0.21ms・V、6角形で約0.22ms・V、8角形で0.25ms・Vと、多角形では頂点が大きくなるほど円形手すりの結果に類似傾向がみられた。一方で本装置では握力以外の荷重も含まれるため、今後は計測装置の改良を予定している。