和紙は生産量が年々減少傾向にあるが、植物材を原料とする和紙は、持続可能な社会に対して適切な材料である。本研究では、和紙を現代生活に再度取り入れる方法を見出すことを目的とし、ウエディングドレスへ応用した。
①和紙の素材感に変化を持たせる、②和紙の性質を活かす、③和紙の魅力を伝える、以上をウエディングドレスへ応用する際の要素とし、デザインした。ウエディングドレスは、今年度の人気スタイルを参考とするとともに、折り形・水引・水切り・型染など、和紙を用いた伝統的な利用および加工法を取り入れて実物大を2着、1/5サイズを7着制作した。
図1は折り形を身頃半分に取り入れたデザインである。図2は、和紙を水切りし、繊維を活かしながら一部を継ぎ接ぎしたデザインである。ウエディングドレスという媒体に、和紙に見られる伝統的要素とドレススタイルのトレンドを融合させることによって、和紙の活用方法の一提案となったと考える。