果物を使ったスイーツが流行り、専門店が増える一方、果物の廃棄も問題となっている。本研究では、廃棄果物の利用方法を見出すことを目的とし、果物から取り出した染料で木材単板を染色する方法および椅子の化粧単板として活用する方法を明らかにした。
アボカド、ブドウで染めた化粧単板を成形合板による背に施した小椅子、オレンジ、イチゴなどで染めた化粧単板を実線、一点鎖線などの形状に象嵌したスツール、果物をモチーフとした六角形の背および座にパイナップル、リンゴなどで染めた化粧単板を象嵌した小椅子である。果物の優しい色合いと木目が調和し、従来の仕上げとは異なる印象を与える椅子となったことで、廃棄果物の利用方法を提示できたと考える。