家具固定に対する物理・心理的なハードルを緩和し、固定行動を促すため、適切な壁面基材選定指針、および壁の傷が目立たない壁面基材表面加工要素を明らかにすることを目的とした。
まず、筋活動量比較実験・木ネジ保持力試験により、壁面基材候補としてシナ共芯合板を選定した。次に、基材表面加工方法の提案・試作と一対比較法による検証を実施して、傷が目立つ程度に影響を与える表面加工要素と有効性を確認した。具体的には、レーザー加工による線のパターンと、塗料による着彩の組合せである。さらに、これらの表面加工について、視覚的な印象評価試験を実施し、室内空間への感覚的な影響を確認した上で表面加工と家具固定金物のデザイン提案を試みた。