圧縮加工したスギ材に2次加工を施すと、弾性を発揮する弾性スギ圧縮木材となる。これを家具部材に適用することで、地震の揺れとともに収納家具自体が揺れて転倒リスク軽減に繋がることが先行研究で明らかになっている。しかし、先行研究では、収納家具のフレーム部材への適用にとどまり、強度および収納力の向上が課題となっていた。
本研究では、強度向上を図るため、弾性スギ圧縮木材と広葉樹材(クルミ材)を組み合わせた面部材を作製し、収納家具の側板に適用した。その結果、圧縮強度の向上が見られ、板組み構造が可能となったことから収納力も向上した。さらに、振動試験の結果、揺れが小さく、転倒リスクを軽減する家具となったことが確認できた。