高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者の移動手段として車いすの需要が高まっている。車いすは自走のほか、介助を受けることで移動できるが、介助者への身体的負担を伴う。この負担低減のためにグリップ形状の変更があるが、グリップ形状と負荷に関する研究は見受けられない。
本研究では、介助者の負担低減のために車いすグリップに着目し、幾何学模様の表面加工を施したグリップを4種用いて移動介護実験をおこなった。その結果、総指伸筋について幾何学模様の頂点が増えるにつれて、筋電位の発火が低下する負の相関関係が明らかとなった。今後は表面形状だけでなく、本体形状やグリップ素材の違いによる握りやすさの変化を調査する。