戦後、植林されたスギが伐採期を迎えていること、成長の早いタケが放置され環境に悪影響をおよぼしていることから、これら国産材の活用が求められている。本研究では、スギ材とタケ材の全く異なる性質を活かし、身近に置いて触れることのできる小型家具として2種のネストテーブルを制作した。
「えだかげ」は、スギ集成材の天板に直接タケ集成材挽板による脚を接合している。脚が木の枝のように緩やかに曲線を描くデザインが特徴で、脚の隙間にあしらった円形パーツがアクセントとなっている。「ゆみつなぎ」は、スギ集成材の天板と2枚の脚の間にタケ薄板合板を象嵌し、タケのしなやかさを強調している。いずれもネスティングすることで、表情の変化が生まれるデザインとした。